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データ主義を越え“ソフトエッジ”を重視する「グレートカンパニー」になるための条件

『グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』

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 編集部が業務用に“自腹”で購入したビジネス書を、Biz/Zine読者の関心にあわせ、厳選して紹介する本コーナー。第1回の今回は、『グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』(リッチ・ガールガード 著 / ダイヤモンド社)です。さて、どんな内容なのでしょうか。

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ファースト・インプレッション:どうしてこの本を手にしたのか?

 現在Biz/Zineでは、「データ経営」に関する企画を検討中です。しかし、資料を集めれば集めるほど、「データ経営は、データを収集し、一元化・可視化し、分析をITシステムで行えば可能となるのか?」という疑問が残り、どうも腑に落ちません。「データ分析」×「直観」にヒントがあるなと思いつつも、今ひとつクリアな回答を持つ資料にたどり着きませんでした。

 今回ご紹介する書籍の直前に読んでいたのが、『なぜデータ主義は失敗するのか?:人文科学的思考のすすめ』(クリスチャン・ マスビェア (著), ミゲル・B・ ラスムセン (著) / 早川書房)です。データ分析・活用のベースを肯定しつつも、「センスメイキング」(「本質直観」に近い)をもっと重視すべきだという主張です。「右脳的思考」と「左脳的思考」それぞれを、どのような場面で使い、使わないのか。データと直観それぞれの適正を考えて使い分けるべきである、という主張の本とも言えます。

持続的競争優位で語られることが少ない「ソフトエッジ」に着目する

 本書は、「グレートカンパニー」が持つ成功し続ける条件として、わかりやすい三角形を提示しています。

企業の持続的競争優位を導く「三角形」図1. 企業の持続的競争優位を導く「三角形」
※図版は書籍『グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』を参照し編集部で制作

 3要素の一つ目は、三角形の土台となる「戦略的基盤」です。「市場、顧客、競合他社、競争優位性、変革者」の5つの要素で構成され、企業活動のベースとなる企業戦略などにあたります。
 二つ目は、「ハードエッジ」です。既存事業で特に重要となる「資本効率、流通、サプライチェーン、コスト、スピード」の5つの要素で構成されています。
 三つ目は、本書がフォーカスする「ソフトエッジ」です。このソフトエッジは「信頼」「知性」「チーム」「テイスト」「ストーリー」の5つの要素から構成されています。

 本書は、「戦略的基盤」や「ハードエッジ」を軽視するものではなく、多くの企業が既に取り組んでいるものであり、「ソフトエッジ」に関する部分を強化して、持続的競争優位性をもたらす方法を提示しています。

なぜ「ソフトエッジ」が重要なのか?

 本書の詳細に入る前に、なぜ「ソフトエッジ」が重要なのか。本書の主張を辿りましょう。「ハードエッジ」による競争優位は、デジタル化、ロボットによる自動化などにより、あっという間にコモディティ化する。競争優位ではなく、競争の前提条件だと言っているように聞こえます。テクノロジーによる競争優位に関しても、テクノロジーの進化に順応すべきだが、これもまだ「前提条件」であるとしています。企業が持続的な競争優位性を発揮するために本当に必要なのものは、本書で語られている「ソフトエッジ」だとしているのが本書の主張です。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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