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井庭崇氏が語るチームの創造性を高める漢方薬「コラボレーション・パターン」

Business Book Academy 井庭崇氏 セミナーレポート

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イノベーションの必要性が高まるいま、あらゆる組織には創造的な体質になることが求められている。日立製作所協力のもと、翔泳社Biz/Zineが主催するイベント「Business Book Academy」に、慶応義塾大学 井庭崇准教授が登壇。チームの創造性を高めるための方法論「コラボレーション・パターン」を紹介し、参加者とともにワークショップを行った。

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これから20年は「創造社会」の時代

自分たちがどういう未来を作っていくのかを考えていく。そのために何ができるかを考えていく。それが、いままで以上に求められているのだと思います

 そう語るのは、慶応義塾大学SFC総合政策学部で、創造性を高めるための方法論「パターン・ランゲージ」研究の最先端を進む井庭崇准教授。彼がそのように考えるのは、いまの時代、とてつもないスピードで社会の状況が変わっているからだ。既存のルールやシステムが必ずしもこれからの社会にふさわしいものでないのなら、自分たちで未来のそれを作っていく必要がある。「僕は時代変化を3つのCで捉えています」と井庭氏は言う。「Consumption、Communication、Creationです」

戦後の「消費社会」では、たくさんのもの・豊かなものを消費することが、豊かな人生だと考えられていました。次にインターネットやソーシャルメディアが普及したことで訪れた「情報社会」では、豊かな関係性を持つことが豊かな人生を送るために大切だと考えられています。そしてこれから訪れる「創造社会」では、どれだけたくさんのものを作ったかが、人生の豊かさを決める指標となるのです。

慶応義塾大学 井庭崇准教授

 創造、と言っても、この世になかったものを新たに生み出す必要はない。家の庭で野菜を作る、自分の好みに合ったシャツやネクタイを作る、社会の仕組みやビジネスモデルを作る。これまで人任せにしていたモノやコトを自ら作る社会が、彼の考える「創造社会」である。そのような社会が、これから20年間では当たり前になっていると井庭氏は言う。

 創造社会において、そしてそれに向かっている現在においても、あらゆる組織には創造的であることが求められている。しかし、チームの創造性を高めるための魔法のような即効薬はない、と井庭氏は断言する。「重要なのは、チームが創造的な体質になっていることです」。彼は自らが編み出した組織の体質を変えるための方法論を、「コラボレーション・パターン」と呼ぶ。

チームの創造性を高める漢方薬

 「社会はコミュニケーションの連鎖である」と、かつてドイツの社会学者ニクラス・ルーマンは言った。ルーマンによれば、社会は人間の「思考」が「コミュニケーション」でつながることで作られるという。そして井庭氏は、チームがコラボレーションするためには、そこに「創造」が加わる必要があると話す。

コラボレーションによってイノベーションを生み出すためには、ただおしゃべりをしていてもダメで、創造のコマが進んでいかなければいけない。つまり、「思考」と「コミュニケーション」と「創造」をうまく連動させながら進める必要があるわけです。この3つがうまく転がるように支援する、歯車の要となるメディア。それが「コラボレーション・パターン」です。

 彼が作ったのは、創造的なチームを作るための34個の秘訣が書かれた「コラボレーション・パターン・カード」だ。34の秘訣はさらに「Good Team」「Creation Process」「Creative Performance」の3つの要素に分かれており、それぞれのカードには「共感のチームづくり」「アイデアをカタチに」「活動の足あと」といったコラボレーションのためのヒントが記されている。

コラボレーション・パターン・カード

 イベントでは、コラボレーション・パターン・カードの効力を体験するため、参加者によるワークショップが行われた。6〜7人でグループを作り、カードに書かれたパターン(秘訣)にまつわる経験談を語り合う。話すのは仕事での経験はもちろん、学生の頃の経験でもかまわない。それぞれの武勇伝が語られ、会場は次第に盛り上がっていった。

 このように初対面にも関わらず、また年齢や立場を超えて気軽に話すことができるのは「パターンの効果」だと井庭氏は言う。「何を語ればいいか、何が他の人の役に立つかをパターンが保証してくれているので、安心して話せるんです」。ある企業で行ったワークショップでは、新入社員から取締役までがフラットに話す姿も見られたそうだ。

すごい経験というのは、一部のすごい人だけでなく、みんなが持っているんです。隣にいる人や同じフロアにいる人が、実はいい秘訣を持っている。パターンを使ってそれを引き出すことで、徐々にチームのクリエイティビティが高まっていく。経験の違いを認識することで、チームを組む意義もわかってきます。
さらにこれらのパターンのひとつひとつがチーム力、創造力を高めるというテーマに沿っているので、ここで行われた対話がじわじわと体質改善につながり、クリエイティブなチームが作られていきます。コラボレーション・パターンは「こういうメソッドを入れればこう変わる」という即効薬ではなく、チームの発想やコミュニケーションを少しずつ変えていく“漢方薬”。チームの創造性を高めるポイントは、そこにあると思っています。

コラボレーション・パターン・カードによるワークショップも行なわれた

 コラボレーション・パターンの基となる考えは、井庭氏の専門である「パターン・ランゲージ」だ。1970年代に建築家のクリストファー・アレグザンダーによって考案されたこの方法論は、「何かを作るとき・実践するときの、状況に応じた判断やセンスを共有・活用する方法」。過去の成功に潜む共通パターンを言語化することで、誰もが使えるようにすることである。 (続きは以下のサイトから)

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本記事の続きとなる講演内容は、このイベントの協賛企業である日立製作所の下記のページよりダウンロードいただけます。日立ID会員サービス、Hitachi IT Platform Magazineメールに登録する必要があります。
日立製作所:IT Platform Magazine ダウンロードページ

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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