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全米文系学生就職先ランキング1位、Teach for Americaが挑む「教育の課題」と「リーダー育成」の仕組み

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 11月11日、株式会社内田洋行新川本社2階ユビキタス協創広場CANVASにて、「米国発の教育現場改革が、世界を変える~社会変革ムーブメントの最前線~」が、主催NPO法人Teach For Japan、共催NPO法人ETICによって開催された。本会の前半では、Teach For Japanの代表理事である創設代表者松田悠介氏とTeach For Americaの創設者であるウェンディ・コップ氏がそれぞれの取組みについての講演を行い、後半は参加者の質問に答えた。講演の一部をお届けする。

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Teach For Americaによる「教育を変えるリーダー」を生み出すしくみ

 Teach For Americaは「全米で最も優秀で情熱のある人材を、2年間教師として厳しい条件にある学校に派遣をする」というプログラムだ。アメリカに広がる教育格差を根絶するためにウェンディ・コップ氏が1990年に始めたこのプログラムは、現在、各国地域のNPOにより、世界38カ国で行なわれるまでに拡大した。

 特筆すべきは、教育格差へのアプローチだ。ただ優秀な人材を教師として困難校へ派遣するだけではない。その取組みよって、教育における優秀なリーダーを育成し社会全体に浸透させることが狙いだ。日本においてTeach For Japanを立ち上げた創設代表者で、自身も体育教師の経験を持つ松田悠介氏が、Teach For Ameriaに関して、その取組みの特徴や意義を紹介した。

松田 悠介松田 悠太(Teach For Japan 創設代表者)
日本大学を卒業後、体育教師として中学校に勤務。千葉県市川市教育委員会 教育政策課分析官を経て、ハーバード教育大学院(教育リーダーシップ専攻)へ進学し、修士号を取得。卒業後、PwC Japanで人材戦略に従事し、2010年7月に退職。 Teach For Japan の創設代表者として現在に至る。著書に「グーグル、ディズニーよりも働きたい『教室』」(ダイヤモンド社)。

Teach For Americaの生み出した社会的なインパクトで重要な点は何かというと、卒業生の活躍です。
(松田悠介)

 教師としての活動を始めた学生へ「プログラム修了後も教育に関わるつもりはあるか?」と聞いたアンケートがある。93%の答えがNOだ。しかし、修了後には、全体の60%以上が教育の現場に残って、教育格差是正のための取組みに従事している。

2年間やってみると他人事じゃなくなります。子供達の厳しい状況を肌で感じるし、それが人との出会いで変わり得るんだって気づくし、何よりも自分が成長しているんだって気づくんですね。というのも教師経験そのものが、どの仕事にも活かせるリーダーシップを身につける経験なんです。
(松田悠介)

 もちろん、2年間のプログラム修了後に教育の現場から離れる人もいる。だが、Teach For Americaに関わった人材は、それぞれのフィールドで教育の改革を行い続ける。

彼らは政治家にもなりますし、行政にも就職します。企業からも引っ張りだこです。しかし、2年間の経験を持っているので、多くは教育が「他人ごと」じゃなくなります。引き続き各々の立場で何ができるのか考えて行動しています。
(松田悠介)

 教育は、教師によって多くが行われるが、教師だけにその責任があるわけではないし、教師だけで問題は解決しない。多様なセクターの協力が必要だ。その多様なセクターからの協力をTeach For Americaでは現場で活躍する教師の育成と同時に獲得する。だから、教育システムへのソリューションとして世界各国で着実な効果を上げることができ、その証明とも言えるのが、現在、世界38カ国でその取組みが拡大していることだ。

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