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comico(コミコ)のヒットからBtoBのITサービスまで―NHN テコラス稲積氏の「プロ経営者」としての流儀

第6回:NHNテコラス 代表取締役社長 稲積 憲 氏

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 1,200万DLを突破した漫画アプリ「comico(コミコ)」を手がけたNHN PlayArt※1は、2013年4月にNHN JapanからLINE社と分割した企業だ。当時のNHN PlayArt※1の代表を務め、現在はITサービスをメインとしたB to Bビジネスを展開するNHN テコラス株式会社の代表取締役社長 稲積 憲 氏に、組織を成長させ続ける「プロ経営者」としての苦労やポリシーをお聞きした。 ※1:NHN PlayArt株式会社は、2015年10月1日に事業持株会社としてNHN comico株式会社へ商号変更し、現NHN PlayArt株式会社は、スマートフォンゲーム事業を継承する会社として新設されています。

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「クリエイティビティ」を生み出す仕組みを作る

 スマホ向けのフルカラーマンガアプリ「comico(コミコ)」は現在1,200万DLを突破し、そこから生まれた作品には、コミック化され累計発行部数100万部を超えて、さらにアニメ化を果たしたものもある。しかし、リリース当初から順風満帆だったわけではない。

岩田(アイディアポイント 代表取締役社長):
 本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。 当社は新規事業開発をテーマにビジネスをしているので大変興味があるのですが、前代表を務めていらした企業での「comico(コミコ)」の立ち上げはどのようなきっかけだったのでしょうか? またどのように成長させたのでしょうか?

稲積(NHNテコラス株式会社 代表取締役社長):
 主力のゲーム事業は、スマートフォン時代になってからハイリスク・ハイリターン型のビジネスとなり、安定成長が可能なプラットフォーム事業をエンターテイメント分野で立ち上げようと考えました。なかでもコミック誌市場がどんどん減っており、マンガを楽しめる場をスマートフォンサービスとして実現できると、読者にも作家にも喜ばれるのではと思い、スタートしました。

 メンバーも社内から選んだのですが、経験よりも新しいチャレンジに対して情熱をもって取り組んでくれそうな点を重視しました。サービスが最初からうまくいかないことは十分想定できましたので、心が折れずに試行錯誤を続けて行くことこそ必要だと考えていました。実際、サービスをリリースした後、多少のプロモーション活動を展開しましたがあまり響きませんでしたね。その当時を振り返ると、やっぱりお客様が関心を持ってくれて継続的に使ってくれる「仕組み」が設計できていなかったと思っています。

 その後、さまざまな取組みの中から、ブレイクスルーポイントが見つかるとユーザー数が一気に伸びました。ビジネスで実際に結果が出ることで、メンバーも自信を持ちモチベーションがあがり、チームとしても一体感が出てきました。一旦軌道に乗り始めると、業務の詳細なオペレーションが多くなってくるので、その段階からは少しずつ現場が主導していく比率を高めるように権限委譲をしていきました。そんなステップで、「comico(コミコ)」のサービスを成長させていきました。

 「comico(コミコ)」の特徴は無名の漫画家を起用したところにあります。現在はそこからヒット作品も誕生しているのですが、サービスの成長には漫画家の成長もまた欠かせないと思っています。事業開発とは別のクリエイティビティを生み出す仕組みが必要でした。

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