Slush AsiaでTechstarsの客員起業家が語ったスタートアップの心得

Slush Asia 2016レポート

 フィンランド発のスタートアップイベントSlush Asia 2016が5月13-14日、幕張メッセで開催された。2日目のStartup Academyプログラムの登壇者の一人、世界的なコーポレートアクセラレーターとして著名なTechstarsのイーモン・ケアリー氏が行った製品のローンチとスケーリングに関するプレゼンテーションの内容をレポートする。

[公開日]

[講演者] イーモン・ケアリー [取材・構成] 有須 晶子 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] スタートアップ 事業開発 ユーザーインタビュー メディア戦略 ローンチ スケール

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ユーザーとのコミュケーションを最重視

 80年代にゲームを作るためにコーディングを覚えたというケアリー氏。以来、一貫してデジタル、インターネットの世界に身を置き、現在はTechstarsの客員起業家(Entrepreneur in Residence)を務めつつ、数社の役員を兼任するなど幅広く活動している。

 起業経験豊富なケアリー氏は「スタートアップのうち、継続的な成功を収めるのは10%未満」という厳しい現実においても「成功者になるためにできることはいくつかある」と前向きだ。なかでも同氏が重視するのがユーザーとの対話である。

ユーザーと継続的に中身のある会話を持つことはとにかく重要だ。ユーザーと繋がれるフィードバックループを作ること。Twitterはもちろん、Intercom、TestFlight、zendesk、Typeformとか、ユーザーとのコミュケーションに使えるチャネルは思いつく限り、何でも活用するといい。

それからユーザーへの質問は、オープンクエスチョンで。クローズドクエスチョンで質問する会社が多いけど、これは大きな間違いだ。

 たとえば「犬の散歩をする人のためのUberのようなサービスを作ろうと思っているんですが、これはいいアイデアだと思いますか」という質問は、イエスかノーで答えられたらそこで終わってしまうクローズドクエスチョンだ。そうではなく「現在、犬の散歩での困りごとはどうやって解決していますか」と、ユーザーの発言を引き出すオープンクエスチョンで聞くのが正解だ。

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 また、ユーザーからのフィードバックにはきちんと耳を傾けること。Techstarsのピッチプレゼンでプレゼンターに意見を言っても、ピッチで話したことを繰り返すだけの人も少なくないそうだ。フィードバックを真摯に受け止め、テストを繰り返す。ケアリー氏は「おそれずにいろいろやってみる」ことをすすめる。

製品テストに便利なツール

 ローンチ前のテストのためのツールとして、ケアリー氏が紹介してくれたのがpeek.usertesting.com.だ。これはウェブサイトであれ、アプリであれ、一般ユーザーであるテスターが5分間サービスを利用し、その様子を動画で撮影して「なんでこのボタンは青なの?」といったコメントをつけてくれるサービスだ。無料で始められ、有料版ではより高度なテストを依頼できる。

 プロの意見を聞きたいのであればopentest.coもよいだろう。こちらは有料でマーケティングや製品テストの専門家がテストをしてフィードバックを送ってくれる。

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