「クリエイターではない」視点があるから役に立てる、映画製作という仕事

第6回:松本沙織さん インタビュー【後編】

 テクノロジーの進化によるワーク・シフトやライフスタイルの多様化から、昨今、働く場所や時間にとらわれない「働き方」が受け入れられるようになってきました。今回のインタビュー連載では、パラレルキャリアの中でも、本業以外に仕事を持つ「複業」を実践している方々に登場いただき、実例を通して、どのようにして自分に合った働き方、生き方を見つけていくかを探っていきます。
 今回は後編として、オリックス株式会社を経て、行政書士として幅広い仕事に携わりながら、映像制作会社のCFO兼COO、行政や地域に関する活動、教育現場での講師など、ジャンルを問わず活動の幅を広げている松本沙織さんにお話をお伺いします。前編はこちら

[公開日]

[語り手] 松本 沙織 [取材・構成] 中村 龍太 栂井 理恵 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイルIT ワークプレイス ダイバーシティ ワークスタイル 複業 パラレルキャリア

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行政書士をしながら初めての映画の世界へ

――定年まで働きたいと思うほどのオリックス株式会社を退職し、行政書士を目指した松本さん。開業から1年足らずして、それまでは興味のなかった映画製作の道に足を踏み入れることになります。

松本沙織さん(以下、敬称略): 2012年に行政書士事務所を開業したあと、早稲田大学の卒業生が集まる「杉並稲門会」、その若手が集まる会で、コスモボックスの代表である映画監督の古新舜に会ったのがきっかけでした。帰り道、同じ高円寺で電車をおりて、仕事場も近いことがわかり、いろいろと共通点がありました。その後、商店街が主催し、古新が講師をする子ども向けの映像のワークショップを、私も地域や商店街との繋がりで手伝うことになったりと、地域でご一緒する機会が増えていきました。
 そのワークショップでの共同作業、たとえばチラシ作りや関係者との連絡等を通じて、「新しいものを作り出していきたい」というところや、レスポンスの早さなどの仕事のスピード感が合うと感じました。それから、スタッフの採用などのいろいろな相談を受けるようになり、2014年から、会社のことも一緒にやろうとオファーをいただき、「コーポレートデザイナー(現在はCFO兼COO、コーポレートデザイナー)」として業務委託契約を結びました。

――コスモボックスとは、どういう会社なのでしょうか。

松本: 映画や映像の力で、人と人のコミュニケーションをデザインしていく会社です。現在の主な事業は3つです。1つめは、命の大切さをテーマにした代表作『ノー・ヴォイス』や次回作『あまのがわ』(*)をはじめとする「映画製作」、2つめは、映画的なストーリーや描写を用いてクライアントのニーズを消費者の心に響く映像にする「企業映像等の制作」、3つめは、「教育事業」です。講演会やシネマ・アクティブ・ラーニングを全国で展開しています。
*『あまのがわ』:松本さんがプロデューサーをつとめる、分身ロボットOriHimeをモチーフにした長編映画。現在、製作準備中。公式Facebookページは、https://www.facebook.com/amanogawa.movie

――現在は、何人ぐらい、いらっしゃるのでしょうか。

松本: 常時、コスモボックスの名刺を持ち、日々の業務にあたるのは、古新と私、アシスタントの3名、その他にインターン生が1名おります。ただ、プロジェクトが始まると、カメラマン、脚本家、ヘアメイク、皆様とチームを組んで、お客様のニーズにお応えできる体制でお仕事させていただいています。

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