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起業家を目指す人のためのキャリア戦略論

“まずは大企業に行っておけ”が、起業家経済の発展を阻害する

第1回:

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 将来、経営人材として今の会社の経営に関わりたい、あるいは、自ら起業して仲間とともに自分たちのアイデアをビジネスとして実現したい。本連載では、そんな向上心を持った20代・30代の皆さんを対象に、どうしたら、経営人材・起業家人材になれるのか。どんな経験やキャリアが起業確率を高めることになるのか。そんなことについてお伝えできればと思います。

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起業家に“なりやすい”キャリアは存在する

 本連載を寄稿することになりましたスローガンの伊藤です。

 当社は、10年に渡って向上心のある大学生の就職を支援する「Goodfind」というサービスを運営すると同時に、スタートアップ・ベンチャーの採用支援、組織構築のお手伝いをしてきました。2015年からはシード期に特化したベンチャーキャピタルも運営し、20社近くに投資実行もしています。

 私自身この仕事を通して、成功する起業家・経営人材に共通する経験・経歴や、若手で早い段階で起業に至る人材の共通点などに気づく機会に恵まれ、いつしか起業家・経営人材になるためのキャリア戦略のようなものを、体系化してお伝えできればと思うようになりました。

 まず、そもそもの話として、起業家というのは、もともと素質のある人が勝手になるのであって、キャリア戦略なんて意識している人はいないよ、という突っ込みもあるでしょう。たしかに起業家にどんなキャリア戦略を意識したかと聞けば、十中八九が「そんなことは考えたことはない」と答えるでしょう。つまり無自覚的ではあるものの、若くして起業家になる人には共通する経験や職歴上の共通点が意外なほどあります。

 よく巷で言われる、「起業して成功している人も、最初は大企業に就職して経験を積んでから起業した人が多い」という話ですが、これは完全に時代遅れの認識だと言わざるを得ません。後の稿で詳述する予定ですが、世代別で見ると明確に傾向があり、起業家に占める大企業出身者が多いのは、1999年以前に社会に出た世代、つまり現在40代以降の人たちの話です。

 逆に2000年以降に社会に出た世代の人たち、つまり今の20代・30代半ばぐらいまでの層に絞って、起業家の経歴を調べると、大企業経験者は2割以下になります。8割以上が大企業を経験せずに起業しており、学生時代にベンチャーでインターンを経験してそのまま学生起業するパターン、新卒でベンチャー企業に入社してその後起業するパターンが大多数を占めます。この今の20代・30代半ばぐらいの世代に限ってみると、大企業出身者の起業はむしろレアケースになりつつあります。

 現在20代の方々向けの話としては、大企業に行くことで起業家になるチャンスを逃す機会ロスの側面のほうが大きい、というのが偽らざるところです。

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この15年でベンチャーという選択肢が台頭してきた

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この記事の著者

伊藤 豊(イトウ ユタカ)

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