上場やカマコンバレーにも通じる、組織を「全体と個の関係性」で捉えるホラクラシ―的思想

ホラクラシ―:透明性を軸とした経営とは(第5回)

 8年前からホラクラシー的経営を実践してきたダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三代表取締役と、面白法人カヤックの代表取締役CEO柳澤大輔氏との対談。前編では、カヤックにおける「管理しない経営」の背景とそれを可能にしているブレストについて、その目的を伺った。後編では会社の成長と経営スタイルの関係やカヤック上場の狙い、ホラクラシー的なコミュニティ「カマコンバレー」について伺った。今までの連載はこちらから。

[公開日]

[語り手] 柳澤 大輔 [聞] 武井 浩三 [取材・構成] やつづかえり [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 企業戦略 ブレスト ホラクラシ― 全員参加経営

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規模の違う会社の比較は意味がない。同規模の中でより面白い会社を目指す。

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 カヤックさんは、社員と業務委託の方とでは、どのくらいの比率なんですか?

柳澤(面白法人カヤック 代表取締役CEO):
 正社員が10だとすると業務委託が3くらいですね。週3カヤックで仕事しながら独立したいみたいな希望も受け入れているので、週3社員みたいな人もいます。

武井:
 そこはうちも一緒ですね。

柳澤:
 たとえば何か問題が起きた時、すぐルールを作ろうとはせず、できるだけ「個別対応」というのが良いなと思っています。特に人事部ではそれを意識しています。ルール化せず個別対応するということの方が、一見不公平のようにも思えるんだけど、実はむしろその方が柔軟に対応できるので公平なのではないかと思うのです。

武井:
 うちも今は20人くらいですけど、もっと人数が増えていっても管理をしない経営をやっていけるのかというところは課題です。

柳澤:
 僕は、小さい会社と大きい会社は別の生き物だと思っています。そもそも10人の会社と1000人の会社は同じ経営ができるわけがないですし、入社してくる人の思考も違いますからね。だから、ホラクラシー型組織運営を目指すとしても、それは、同じ規模の会社と比べたときに、より、そうであればよいということでよいのだと思っています。武井さんのところも20人とはいえ、同じ規模の会社であっても「みんなの総意で給料を決める」というのはなかなかできることじゃないでしょう。だからすごいと思います。20人だからできるんだよという指摘には意味がなくて、他に20人でやっている会社が存在しないから十分すごいんだと思います。ちなみに、それが100人になってもできるのかはわからないけど、やってみたらできるかもしれないですよね。

武井:
 チャレンジしたいですね。我々も今の形にこだわるというよりは、規模が大きくなったらそれに最適化していくことが大事だと考えていて、そのためにも柳澤さんのところは参考にさせてもらいたいな、と思うんです。

柳澤:
 「そのやり方は、規模が大きくなったらうまくいかないよ」と言われることは世の中にはたくさんあると思うし、僕もそう思うこともありますが、そもそも会社ってうまくいかないことをやっていて、それをどうするかが経営なのかなとも思います。規模を大きくする過程で出てくる矛盾をどう解決していくかというのが経営におけるクリエイティブな部分なので、武井さんのチャレンジは応援しています。

柳澤大輔柳澤 大輔 氏(面白法人カヤック 代表取締役CEO)

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