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AIによる「インタラクティブ・エージェント」がクリエイティビティを持つ鍵とは?

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO report vol.3

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 2016年7月5日と6日、「ブロックチェーン」と「人工知能」をテーマに「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO」が開催された。  2日目のテーマは「人工知能」。今回Biz/Zineで取り上げるセッション「インタラクティブ・エージェント」では、ASAPP, Inc 成長戦略部 副部長 ジョシュア・ラッチャー氏による「人工知能による顧客へのコンタクト手法の転換」、株式会社オルツ 代表取締役 米倉 千貴氏による「恋スルAI」そしてパネルディスカッションでは、ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長・所長 北野 宏明氏、Inamoto & Co.共同設立者 クリエイティブディレクター Rei Inamoto氏が登壇。株式会社デジタルガレージ 共同創業者 取締役 MITメディアラボ 所長 伊藤 穰一氏がモデレーターを務めた。

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「人間と機械が自然に会話する」ために必要な3つの要素とは?

 「人類が成せることの中で、AIは最後の偉業になるであろう」と、ある未来学者は予測した。機械学習の発展によりAIが進化する中で、『2001年宇宙の旅』に登場する「HAL」のようなAIの登場が現実味を帯びだしている。このように人工知能が進化する中で、SF映画で描かれているような「人間と機械の自然な会話」を行うのは現段階では難しい。なぜなら、言葉には人間には理解ができて機械には理解しにくい口語表現や、非常に抽象的な表現が山のように存在し、機械が「会話の中のコンテキスト」を理解できないからだ。

 2016年に入って、Facebookのマーク・ザッカーバーグはメッセンジャー内で会話を行えるチャットbotを発表した。そのbotは、友人同士や会社間での会話を解析し、人間のコミュニケーションを学習しようとしているが、まだそれほど精度は高くない。

 最初に登壇したジョシュア氏が勤めるASAPPは、AIを使いこなす際に問題となっている「人間と機械との間のインタラクション」に注目し、自然言語によるコミュニケーションの実現を目指している。

ジョシュア・ラッチャージョシュア・ラッチャー氏(ASAPP, Inc 成長戦略部 副部長)

フェイスブックの場合は、何兆枚という写真を収集し、人々の顔をかなり高い精度で認識することができるようになりました。私たちの場合は、何百万人という人たちが毎日オペレーターと会話しているコールセンターを対象にし、そのデータをもとに「人間と機械の自然な対話」の実現を目指しています。

 「コンテキストを機械に理解させるため」にはまず3つの要素が必要であるという。ある組織や会社が、顧客や従業員と対話する時に必要となるには以下のような情報が必要となる。

  1. 顧客は何を言っているのか
  2. 彼らのニーズは何か
  3. 従業員が応答する時にどのような言語を使うのか

 これらの3つの要素に、そのオペレーターの会社が持っているデータから導き出したコンテキストを組み合わせることで、機械は人間しかこれまで理解できなかったことを理解できるようなる。

日本航空のコールセンターに電話をして「ケーブルを直してくれ」とは言わないし、NTTドコモに電話をして航空チケットを予約しようとする人はいないでしょう。なので、狭いコンテキストさえ適用することができれば、コールセンターにおいて、AIは何を言われているのかが理解できます。なぜならその会話が、あるフレームワークの中で交わされると理解し始めるからです。

Siriからサマンサへ

Siriからサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)へ

 最後に、ジョシュア氏はASAAPが実現したい世界について語ってくれた。私たちのポケットの中にはスマートフォンが入っていて、そこにはヴァーチャルアシスタント「Siri」が存在する。しかし、このヴァーチャルアシスタントはまだ完璧ではない。ジョシュア氏が目指すのは、映画『her 世界でひとつの彼女』の世界観だ。

近未来のロサンゼルスを舞台にした映画『her』では、主人公はヴァーチャルアシスタントの「サマンサ」に恋をします。私たちはこのような世界をつくりたいのに、今の機械は私たちの言っていることを理解して共感し、人間と同じような対応はできない。ASAPPには、ヴァーチャルアシスタントをSiriからサマンサへ進化させることができると信じています。

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