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『ダークマターと恐竜絶滅』著者が語る、宇宙と地球、生命の魅惑的なつながり

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 素粒子物理学、宇宙論の研究者でベストセラー『ワープする宇宙』の著者、リサ・ランドールが新作の邦訳『ダークマターと恐竜絶滅』出版記念のため来日。6月19日、東京大学駒場キャンパスで開催された一般講演会にて、ランドール氏が共同研究者らと提示したダークマターと恐竜絶滅に関する新しいモデルについて解説した。

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『ダークマターと恐竜絶滅』を書いたわけ

 『ダークマターと恐竜絶滅』は、私自身の学びの喜び、私が研究している素粒子物理学と私たちの世界がどう結びついているかを学ぶ楽しさを伝えたいとの思いから書きたいと思った本です。

 現在、地球環境は急激に変化しています。そういうとき、人は歴史を振り返ろうとするものです。私も、宇宙、銀河、太陽系の歴史を一つの連なりとして理解することが大切だと考えました。これがこの本を書こうと思ったもう一つの理由です。

 ダークマターは、ファンダメンタルなレベルで本当にそれが何であるかはまだ解明されていません。しかし、宇宙に存在し、何らかの形で私たちの知っている現実世界に影響していることはわかっています。天体の運動に影響を与えており、それが恐竜の絶滅にも関係している可能性があると考えられているのです。

恐竜大絶滅の原因は隕石の衝突

 地球上における生物進化の歴史の中で、大量に生物が死滅した時期が何回かあります。恐竜を含む大量の種が絶滅した6600万年前のものが最も新しい絶滅期で、K-Pg境界と呼ばれています。

 K-Pg境界の時期に大量に絶滅した生物は化石となりました。地層には、そのような化石をたくさん含む石灰岩の層が残っています。その層の上に、この層とは成分の異なる粘土の層があります。

 地質学者のアルバレスらは、この層から高濃度のイリジウムを検出しました。イリジウムは非常に重い元素です。そのため、地球が誕生したときにあったイリジウムは地球の奥深くに沈み、地表面にはもうないはずです。つまり、地表面にイリジウム層があるということは、その成分は地球の誕生後、地球の外部から降ってきたものでできていると考えられます。そこで、地表面のイリジウム層の存在は、イリジウムを含む隕石のようなものが地球にぶつかった証拠であろうとの考えが導き出されました。

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