メルカリ小野さんのキャリア構築は、「社外との協業」と「今あるもので勝負する」こと

「デザインしない」キャリアとその実践者:第4回 メルカリ小野さん

 スキルを磨いてやりたい仕事に就きたい。ポジションや待遇もアップさせたい。そのために、自らキャリアをデザインすることも大切ではありますが、全く違うアプローチで、自分の可能性を高めることができるのではないか。その問題意識のもと、「デザインしないキャリア」の有用性について、その実践者の言葉をもとに検証していきます。連載第四回は、NTTドコモでの法人営業・海外ビジネス担当を経て、アマゾンジャパンでプロジェクトマネージャーを経験し、現在は、メルカリにて事業開発マネージャーを務めている、小野直人さんにお話を伺いました。

[公開日]

[語り手] 小野 直人 [取材・構成] 佐藤 崇敏 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル キャリアデザイン キャリアドリフト 計画された偶発性

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小野直人さんプロフィール

株式会社メルカリ ビジネスディベロップメント マネージャー
早稲田大学政治経済学部を卒業後、1999年NTTドコモへ入社。法人営業職、海外携帯キャリアとのアライアンスなどを手がけた後、米国ビジネススクールへ留学。帰国後、経営企画部で中期事業計画・新規事業パートナー開拓、IR部で機関投資家対応業務に従事。その後、Amazon Japanにおいて学生向けサービス Amazon Studentの立ち上げ、書籍事業部の事業企画とPMにコミット。2014年、フリマアプリを展開する株式会社メルカリに参画。事業開発(BizDev)のマネージャーとして、外部パートナーとの提携・協業を通じ、プロダクトと事業の成長を担う。

キャリアヒストリー

  • 1999年3月:早稲田大学 政治経済学部 卒業
  • 1999年4月:株式会社NTTドコモ入社
    法人営業職や海外携帯キャリアとのアライアンスを手がける
  • 2004年:米国へMBA留学
    専門は、企業戦略論、科学的意思決定論
  • 2011年:アマゾンジャパン合同会社に転職
    新規事業であるAmazon Studentの立ち上げに携わる
  • 2014年:株式会社メルカリに参画
    事業開発のマネージャーとして、外部パートナーとの提携・協業を進め、新サービスを生み出している

テクノロジーとビジネスをマッチングさせる「社外との協業手法」を学んだ、NTTドコモ時代

——どんな学生時代を過ごしましたか?

 「社会に影響を与えてみたい」という漠然とした想いと、「社会が動いているメカニズムを知りたい」という興味を持っていました。ですから、大学では政治経済学部に入り情報経済学を専攻し、情報が経済にどう影響を与えるかについて研究していました。一方で、音楽が好きで仲間とバンドを組んで、ジャズオルガンを担当。ハービー・ハンコックというジャズピアノ奏者には今でも憧れています。就職活動では、“ 趣味×社会への影響力”という軸で考えていたのですが、当時NTTドコモがiモードでインターネットを使った先進的な音楽配信を行おうとしてたんですね。それに魅力を感じて、NTTドコモに入社しました。

——NTTドコモではどのような仕事を?

 コンシューマー向けのサービスをつくりたかったのですが、最初の配属は法人営業でした。正直落ち込みましたが、いざやってみると、この部署での仕事は非常にエキサイティングでした。1999年4月、i-modeが立ち上がったばかりのタイミングで、携帯電話や通信モジュールをソリューションの形で企業に売り込むことが法人営業本部のミッションでした。別の大きな部署からスピンアウトして立ち上がった組織で、“はみ出し者”というわけではありませんが、個性豊かな人たちが集まっていた。また社外の方々、例えば大手コンサルティング会社の人たちと一緒に働いたりする機会もあり、とても鍛えられたし大きな学びを得ました。上から言われたことをこなすのではなく、「自分たちこそが、新しいビジネスをつくる」という気概が職場には充満していましたね。“売る”営業ではなく、“顧客とともにつくる”ことを第一義に置き、テクノロジーと顧客のニーズをマッチングさせ、そこから数々の新しいビジネスが生まれていく。

 私自身は新人でしたが、大手企業といくつかの面白い仕事をリードすることができました。レコード会社と店舗用マルチメディア端末をつくったり、建機メーカーとGPSをつかったシステムを構築し今で言うIoTの新事業を創出したり。最終的にこの部署には3年間在籍したのですが、2つの大きな学びがありました。「whatやwhereではなく、“how”、つまり、モバイルの力を活かせば、全く新しいビジネスが生まれる」ということと、「新しいビジネスを社外の会社とつくってマネタイズする方法」です。いまでもこれらは自分の中で生きています。

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