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事業開発のキー人材“ゼネラリストのスペシャリスト”とは何か、その育成に必要なことは?

立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 委員長 亀川 雅人 氏

[公開日]

[語り手] 亀川 雅人 [取材・構成] 伊藤 真美 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

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「うどん屋さんの経営」を素材にビジネスモデルを考える、科目:ビジネスシミュレーションで体得できること

——では、「真のゼネラリスト育成」に効果を発揮する必修科目「ビジネスシミュレーション」の具体的な内容や構成についてお話しいただけますか。

 いわゆる座学ではなく1クラス20~25人が4~6チームに分かれ、まず秋学期の前半7週間では、ビジネスを想定した「ビジネスゲーム」として、メンバーと議論をしながら経営の意思決定を行います。なぜ、立教のMBAでは「チームでの演習」を重視するのか。現在の日本企業において、経営全般を俯瞰したうえで、チームメンバーそれぞれが得手不得手を抱えながらも、チームとしてスピーディーに事業環境の変化に対応することが求められています。専門性の違う、ダイバーシティを持つチームでなければ、この厳しい事業環境を乗り越えることが難しいと考えるからです。

業績予測シート2016年の想定ビジネスは、自動販売機にうどんを提供する製造業というユニークなもの。
豊島区が本社、資本金30,000千円、未上場の中小企業という設定。
コストや利用見込み情報を事前に渡し、トップマネジメントチームとして
数量、売価、販売拠点、広告等の戦略・施策などを予想財務諸表にまとめ、
その実践を想定し、チームでシェアを奪い合います。

 チームはそれぞれ異なる職能のメンバーから構成されますが、実社会で主に経験したことがない役割を敢えて担うようにしてもらっています。実社会で営業の人は財務を担当したり、経理の人がマーケティングを担当したりするわけですね。もちろん、任せっ放しにはせず、担当以外の部分も勉強してフォローしたり、実社会でのナレッジで補完したり、チームのシェアを獲得するために知恵を出し合い、協力し合うように促します。

 最後は「なぜそうした意思決定をしたのか」という発表を行い、意思決定の過程をつまびらかにします。それによって、盲点を指摘されたり、逆にそんな見方があるのかと賞賛されたり、客観的に評価されることでまた新たな気づきを得るというわけですね。他チームの発表の際にも気が抜けないよう、「リアクションペーパー」として気づきや意見を記入して提出してもらうようにしています。

 そして、秋学期後半7週間は「ビジネスプラン策定」として事業構想に取り組みます。実際の企業に協力をいただき、その企業の課題の解決をテーマにしています。昨年は日本の大手企業に課題を感じている領域を3つほど用意していただき、そこに対して解決策となる新規ビジネスプランを提供し、当該の企業さんに評価いただきました。全19チームの中ですぐにでも導入したいというプランが1つ、来年以降の事業計画に盛り込みたいというプランが7つというなかなか高評価をいただきました。授業の中では事業構想のフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」を用いて、少しずつテーマを与え、下調べしながら、意見を出し合い、構想を具体的に練り上げていくという方法を採っています。

ビジネスプラン見つけた課題を起点にビジネスプランをキャンバスに落とし込む
(オスターワルダー& ピニュール(2012)『ビジネスモデル・ジェネレーション』、翔泳社)

 手法は前半・後半とで異なりますが、アナログなツールを用いて手を動かし、チームでコミュニケーションを取りながら形にすることで、実践の中で事業や経営について俯瞰し、多角的に捉える力を磨くことができる科目となっています。

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