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INNOSIGHT流イノベーションの興し方

クリステンセン教授の新刊『Competing Against Luck』で語られた「ジョブ理論」とは

ブックレビュー:“Competing Against Luck: The Story of Innovation and Customer Choice”

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顧客が製品を買う理由から考える

 既存製品を改良し、新しい製品を開発する担当者は、顧客のニーズを理解している“つもり”だったり、理解したことに“なっていたり”しますが、実際のところ、製品をリリースして世に問うまで不安はぬぐえません。発売後にどうなるか、まるで運に支配されているような感覚です。しかし、人はなぜ製品を購入するのか、というメカニズムを理解することによって以下のことが達成できます。

  • 再現性の高いイノベーションが可能になる
  • 顧客がプレミアム価格を支払うような商品が開発できる
  • 運に任せたまま開発する競合に勝てる
 

 マッキンゼーの調査によると、イノベーションを重要課題として挙げる経営者は84パーセントにのぼる割に、94パーセントは自社の結果に不満足だと答えています。ステージゲート等の仕組みは導入され、顧客データもふんだんに集めているにも関わらず、この結果です。

 「顧客が製品を買う理由」が整理されていないため、膨大なデータを収集しても、イノベーションにつながらないのです。マーケティングデータから得られる情報は、「あの顧客はこの顧客に似ている」「あの製品はこの製品に似ている」「あの顧客は過去にも同じことをした」「68%の回答者はAよりBを好む」という意味合いのもので、製品を買う理由ではありません。

 人が製品を買うのは、「進歩」をしたいためであり、顧客が望む進歩、つまり「ジョブ」を把握することがメカニズムの解明につながるのだ、とクリステンセンは語ります。

次のページ
「顧客が望む進化=ジョブ」を発見するための“5つのレンズ”

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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