クリステンセン教授の「ジョブ理論」に影響を与えたODI(アウトカム・ドリブン・イノベーション)

ブックレビュー:“Jobs to be Done: Theory to Practice ”

[公開日]

[著] 津田 真吾

[タグ] 事業開発 企業戦略 job to be done ジョブ理論 顧客のジョブ 顧客体験 アンメットニーズ ODI

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“アンメットニーズ起点”のイノベーションプロセス「ジョブ・ニーズフレームワーク」とは?

 さて、大きなビジネスチャンスとなり得るアンメットニーズを把握するには、漏れなくニーズを知っておく必要がある。それにはジョブ・ニーズフレームワークを活用することを推奨している。B2Cでは約100個、B2Bになると複雑になり約200個のニーズがこのフレームワークを使うことで見つかるという。

ジョブ・ニーズフレームワーク

 このフレームワークには普遍的な「機能的ジョブ(〜がしたい)」を中心にして、周辺のジョブや感情的ジョブ、消費する上でのジョブを挙げると同時に、顧客がジョブをどのように解決したいのかという「期待アウトカム」があるのが特徴である。

 機能的ジョブは普遍的であり、地域性もない。そこから顧客の状況に応じて、ジョブを解決するためのステップごとにブレークダウンしたステップを用い、ジョブを洗い出すという。では、以降では、本書に登場するケースを一部紹介しよう。

Uberのラインナップと機会マトリックス

 数多くのジョブが抽出できると、その中からビジネスとして有望な機会を選択する。機会マトリクッスの4象限を考察すると、以下のことがわかる。

  1. 差別化戦略:性能も価格も高い製品は、ニーズが未充足やアンメットニーズのある顧客にだけ訴求する。(元祖 UberBLACK)
  2. ドミナント戦略:性能は高いが価格は低い製品は、どのような顧客にも訴求する。(UberXはタクシーよりも良いけど安い)
  3. 破壊的戦略:性能は低く、価格も低い製品は、過剰満足(アンメットニーズのない状態)や非消費の顧客に訴求する。(UberPOOLは乗り合いのカープールのようなサービス)
  4. ディスクリート戦略:性能は低く、価格が高い製品は、選択肢が限られた状況に置かれた顧客に訴求する。これは空港のゲート内での飲食店などとても限定的な状況しか起こらない。

 新規顧客の獲得は困難になる。既存事業を持つ企業ならあまり問題ないが、新規参入には適さない戦略となる。

機会マトリクッスの4象限

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