SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

テクノロジーの経済学

限界費用ゼロ社会で起こる、「経済主体の分散」と「富の集中」とは?

テクノロジーの経済学:第1回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

“スーパースター現象”に代表される、「ネットワーク効果」と「富の集積」

 ところが、さきほど述べた小規模化と矛盾するように見えるかもしれないが、ITによる取引コストの削減は、逆に世界規模での富の集積をももたらしてきた。世界中どこにいても簡単にマッチングし、取引が行えるということであれば、世界で最善のものに注文が集中することになる。これは「スーパースター現象」とも呼ばれるもので*2、Google、Amazon、 Facebook、 Appleなど、世界的な企業が巨額の利益を上げられることの要因でもある。

 その背景には、ITサービスの特徴のひとつである「ネットワーク効果」がある。使う人が多ければ多いほど、そのサービスの価値が高まるというものだ。SNSで言えば、他のユーザーが多いほど、自分もそのSNSを使うメリットが増加する。また、もう少し詳しく見ていくと、これらのITサービスは「Two sided network」、すなわち2面のネットワークの接点に位置することがわかる*3。SNSであればユーザーと広告主、音楽配信であればリスナーとミュージシャン、ライドシェアであればドライバーと乗客、といった具合である。こうした二つのネットワークを拡大できた企業は、強力なネットワーク効果の恩恵を受け、急速に成長することができる。このネットワーク効果により、設立後わずか数年から十数年のうちに、世界を代表する大企業への成長したものは多数存在する。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
この記事の著者

高木 聡一郎(タカギ ソウイチロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング