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好きがつながるとき、人生がひらく。YAMAP代表 春山慶彦の山と道

ななめの学校:ダイアゴナルラーン 第三回

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東京・八重洲で「東京と地方を結び新たな可能性を開いていく」をテーマに多くの共創を生み出しているコワーキングスペース「ダイアゴナルラン」。福岡銀行をはじめとする「ふくおかファイナンシャルグループ」が中心となって、ワークスペースを活用したオープンなビジネスプラットフォームづくりを進めている。 その取り組みの一つが「ななめの学校/DIAGONAL LEARN」だ。第三回は、登山アプリ開発ベンチャー「YAMAP」で代表を務める春山慶彦さんが登場。コピーライター/クリエイティブディレクターの中村直史さんのファシリテートで、「好き」を事業化した経緯について語った。

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スマホGPSで山中でも位置がわかる「YAMAP」を開発

コワーキングスペース「ダイアゴナルラン」の名前の由来は、サッカーの攻撃法で「フィールドの対角線を走る=ダイアゴナル・ラン」から。従来の上下関係や横のつながりだけでなく、ナナメも含めた多彩な連携を創出しようという思いが込められている。

「ななめの学校」のコンセプトも同じ。普段なら接点が得にくい”ななめの人や事業”から学び、関係を作り出していこうというものだ。第一回は東京を拠点とする3人が長崎県五島市富江町に開設した私設図書館「さんごさん」についてのトークセッション、第二回は日本初ゲームAIの専門会社「モリカトロン」代表の森川 幸人氏と、劇団で創作・評論にも携わってきた精神科医の山登 敬之氏とのAIにまつわる対談と、いずれもユニークな内容となっている。

第三回では「YAMAP」で代表を務める春山慶彦さんが登場。「好きがつながるとき、人生がひらく。」と題し、登山アプリ「YAMAP」の事業について紹介し、自身の中の「好き」という気持ちを仕事や人生に展開させてきた経緯や体験を語った。

「YAMAP」は、スマホでGPSを活用し、携帯電話の電波が届かない山中でも地図と連動させて現在位置を確認できるというスマホアプリだ。さらにルートや距離、撮影した写真などの記録を簡単に保存し、コミュニティ内で共有して楽しめる。

登山などアウトドアレジャーの楽しさを増幅させてくれるだけでなく、災害・遭難時の安全確認のためのツールにもなる。様々な可能性を秘めるアプリとして、世界の注目ベンチャー100社を選ぶ「Red Herring Top 100」に選出され、ベンチャー企業として初めて環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結するなど、大いに期待される存在だ。

2013年3月にローンチし、ベンチャーの100社中99社が5年以内に事業をたたむという厳しい環境下で、アプリのダウンロード数は87万件を突破、コミュニティへの写真投稿数は1900万件を超える。YAMAPの着実な成長について、春山さんは「登山という社会的ニーズが高まっており、応援してくれる人やユーザーが増えているから」と分析する。そして、GPSと連携するスマートフォンの可能性にふれ、「その価値を生かせるサービスとして成立させたこと」を挙げた。

GPSと連携したスマートフォンやタブレットが登場したことで、自然・身体・情報知識がうまくつながるようになりました。別の言い方をすれば、リアルとネットワークが好循環する時代ともいえます。人の位置情報をどのタイミングで通信に乗せ、どのようなサービスを作るか。それは人類が初めて経験する価値になるでしょう。おそらくスマホを通して体験に寄り添うサービスが増えることは間違いありません。

そして、何よりスマホは世界共通のデバイスである。春山さんは「地球が1つになったという感覚」を強く持つようになったという。つまり、世界中の人々がスマホによってネットワークにつながっただけでなく、言語を変えるだけでソフトコンテンツを世界に届けられるところに画期的な価値がある。「東京でなくても、地方でも世界を相手に勝負できる環境が整ってきた(春山さん)」というわけだ。

携帯電話の電波が届く範囲は、日本でも1/4程度。地球規模でみると本当に狭く、それも各国のキャリアを契約する必要があります。となれば、オフラインでのサービス設計をしておいた方が、スマートフォンという世界共通のデバイスを生かせるのではないかと考えました。

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伊藤 真美(イトウ マミ)

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