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“鍵”と“トビラ”の新たな経済圏

ブロックチェーンが抱える3つの問題点──新たな自律分散型システムbitkey platformとは?

第1回

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 世界中で研究が進んでいるブロックチェーンは、仮想通貨にとどまらず、様々なサービスに応用され始めています。私たちもブロックチェーン技術から着想を得て「bitkey platform」という独自の自律分散型システムを開発しました。この技術を活用したスマートロック「bitlock」は、鍵をデジタル上で安全にシェアすることを可能にしており、配送業界をはじめとする多くの業界・企業と連携した「トビラエコノミー」の創出を目指しています。本連載では、bitkey platformの概念と、トビラエコノミー創出に向けた各企業との取り組みについて紹介していきます。  今回はブロックチェーンが抱える問題点と、それらを克服したbitkey platformについて紹介していきます。

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ブロックチェーン技術から着想を得た「bitkey platform」とは?

 2017年末の仮想通貨ブームの影響で「ブロックチェーン=仮想通貨」というイメージを持たれている方も多いと思います。ブロックチェーンは仮想通貨「ビットコイン」の基幹技術として発明された技術ではありますが、広い意味で情報流通をセキュアに行うための技術であって仮想通貨のためだけの技術ではありません。

 現在、世界中の様々なプレイヤーが、仮想通貨以外の用途も含め、ブロックチェーンの活用について研究を重ねています。私も2017年にプライベートでブロックチェーンの研究会を立ち上げ、多くのエンジニアとともにディスカッションを重ねてきました。研究をしていく中で、ブロックチェーンの強みを十分に認識できた一方、仮想通貨以外の用途で用いる場合に障壁となる問題点も出てきます。私たちは、問題点を解決したあらたなプラットフォームの構築を目指します。そして、そのプラットフォームを用いた新たな経済圏の創造を目指し、2018年8月にビットキーを創業しました。

 ビットキーは、スマートロックサービス事業を通じて“鍵”をデジタル上で簡単かつ安全にシェアできるようにし、不在時でも様々なサービスを受けられる世界を創ることを目指しています。たとえば、家事代行サービスにデジタル上の“鍵”をシェアすることで不在時にサービスを受けることができ、家に帰ったら部屋も服もきれいになって、晩御飯の用意までしてある、という世界です。もちろんそこには、安全・安心にサービスが提供される仕組みが不可欠です。そのため、私たちにとって「セキュリティ」は最も重要な課題の一つです。私たちが開発したスマートロック「bitlock」を含む事業は、このような“鍵”、そして“トビラ”を入り口に、様々な不在時サービスと接続する「トビラエコノミー」を創り出そうとしています

 トビラエコノミーの実現には、トビラを開けて中に入ることができる人を適切にコントロールすることが不可欠です。つまり、トビラを開けて中に入る「権利」と、それを一時的・恒久的に保持する「人=ID」を適切に管理する必要があるということです。

 そこで私たちはブロックチェーン技術に着想を得た独自の自律分散型システム「bitkey platform」を開発しました。“着想を得た”という表現の通り、ブロックチェーンをシステムの根幹においてはいません。下の図でbitkey platformの概念をご紹介しますが、ブロックチェーンは取引結果を保存する「データ保持層」の一部に採用しているだけです。なぜブロックチェーン技術から着想を得つつも、ブロックチェーン自体がシステムの根幹となり得なかったのでしょうか。それは、私たちがブロックチェーン技術が抱える問題は、ブロックチェーンそのものを維持したまま解決することができないと考えているからです。

 では、私たちの考える「ブロックチェーン技術の抱える問題」とは何なのでしょうか。

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この記事の著者

江尻 祐樹(エジリ ユウキ)

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