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創造性を生み出す「コネクト型組織」とは?

『コネクト ―企業と顧客が相互接続された未来の働き方』

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 本書『コネクト(原題ConnectedCompany)』は世界的なベストセラーとなった『ゲームストーミング(Gamestorming)』の著者によるイノベーション組織づくりの手引です。前著である『ゲームストーミング』はアイデア導出をいかに楽しくクリエイティブに行うかの手引書で、一般的なオフィスの堅苦しい環境を超えたアイデア導出の方法論が世界中のイノベーターたちの共感を呼びベストセラーとなりました。本書には、前著のテーマをさらに拡張し、イノベーションを生み出し続ける組織のあり方について、その前提となる環境認識と企業の組織についての指南が詰まっています。では、詳細を解説しましょう。

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なぜコネクト型組織が求められるのか?

 本書の全体を通じて、「コネクト型組織」は「階層的な分割型組織」との対比で語られます。分割型組織が柔軟性の低いトップダウン型の組織であるのに対して、コネクト型組織はフラットで、構成員が縦横無尽に動きながら、様々なつながり(=イノベーションの芽)を生み出していくというものです。

 本書においてコネクト型組織が必要になる大きな原因として考えられているのは「サービス経済化」です。ご存知のとおり、日本でもGDPに占めるサービス産業の割合は年々上昇しています。この傾向は欧米の成熟国においても同様です。

 サービス経済化が進むに従って、企業が顧客に提供する価値は、モノのように企業から一方的に提供されるものではなく、顧客との関係性の中で常に発生するものだと指摘されています。サービスの価値は顧客がどう感じるかによって決定するという考え方です。

 サービス経済において企業が提供するものはより複雑になり、顧客との接点も増え、その重要性も高まります。このような状況の中、顧客への関心が薄れがちな階層的な分割型組織では対応しきれず、フラットでマルチな顧客接点を持ちうるコネクト型組織が必要になります。

 コネクト型組織は、複雑化のなか、顧客に受け入れられない企業の淘汰が進む時代において、より柔軟に状況に対応できる「分散型統制」を実現できることも大きな特徴として位置づけられています。

次のページ
コネクト型組織の実現プロセス

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この記事の著者

岩嵜 博論(イワサキ ヒロノリ)

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