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チクセントミハイ氏が語る「創造性の活かし方」

チクセントミハイ博士初来日講演レポート:後編

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 ポジティブ心理学の父の一人であり、「フロー理論」の提唱者として知られるチクセントミハイ博士。11月28日に行われた日本初来日講演から、「フロー体験」や「創造性の源泉」について語られた内容を前後編に渡り紹介する。今回は、「デジタル時代のクリエイティビティ-ビジネスにおけるフローとクリエイティビティ-」と題した講演第二部の内容をお届けする。博士の熱いメッセージは、仕事に悩みを持つ人はもちろん、今以上に仕事を楽しみ、創造性と成長を得たいと考えている人に大きな気づきを与えてくれるだろう。

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社会に貢献する創造性「"Big C" Creativty」とは?

 人が何かに没頭して取り組むときに感じられる「フロー体験」。前編で紹介されたように、それは人間に幸せなひとときを与えてくれると同時に、その連続によって人生全体を充実した豊かなものとしてくれる。しかし、時として「フロー」が、人生の幸せに結びつかないケースもあるという。それは「創造性=Creativity」が欠けている時だ。

 人間にとって、創造性が重要であることは誰もが知るところだろう。個人として、またはビジネスにおいても、創造性は競争力の源泉であり、より豊かに生きていくために不可欠なものだからだ。

 人類の歴史を紐解いてみれば、その当時では唯一の創造的産物であった石器を使っていた時代から、自然界からエネルギーを得るようになった水車の時代、そして現代のインターネット時代へと至るまで、創造性から何かが生まれ、伝播していくまでのスピードはどんどん加速している。新しいアイディアを実施するには相応の時間がかかるものの、その価値は瞬時に理解され、数日後には他の地域へと伝播していく。創造性もまた人間とともに進化し、変わってきているのだ。

 そんな時代に、求められる創造性とはどんなものなのか。チクセントミハイ博士は2つの異なるプロセスから生じる「創造性=Creativity」があると語る。

1つは小文字cからはじまる「creativty」、つまりはごく個人的な範囲における創造性だ。個人の生活や空間の中で発揮され、その結果が他者から認められずとも自分自身の人生を豊かにしてくれる。一方、起点は個人であっても、公共における創造性、つまり文化や物事の仕組み、生活のあり方などに改革をもたらす創造性もある。大文字のCからなる「"Big C" Creativty」である。これこそ、社会として人々が期待し求めるものである。

 この「"Big C" Creativty」の特徴は「希少であること」「社会的価値があること」そして「完成を求められること」にある。創造の喜びは、その結果が個人の範囲に留まる場合も十分に存在するが、広く他者に伝播し、評価されるときにこそ、より大きなものとなる。それでは一体どのようにすれば、社会に大きな影響を与える「"Big C" Creativty」を実現することができるのだろうか。

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