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グローバルファイナンス看板教授の「アベノミクス評」

フランクリン・アレン教授/WGF東京2013レポート:第1回

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圧倒的な「質と量」のMBAプログラムを提供し、世界のビジネスをリードするペンシルバニア大学ウォートン・スクール。ウォートンは、報道関係者に向けて、最新の経済状況への知見を提供するセミナーを開催している。その45年にわたる歴史の中で、今回初めてそのセミナーが東京で開催された。今回掲載するアレン教授は、元米国金融学会の会長であるとともに、数多くのティーチング・アワードも受賞している、実力と人気を兼ね備えたウォートンの看板教授の一人である。本企画では、4回に分けて、フォーラムの内容を報告する。

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金融危機はなぜ起きたのか?

 「金融危機は、まだ終わっていない」

 2007年に始まった金融危機は、住宅ローン会社が過剰な貸し付けを行ったことが原因と言われている。しかし、本当の原因は、“不動産価格のバブル”なのだ。そして、その不動産価格のバブルは、まだ解決していないように見える。

 たとえば、スペインでは、売却による価格下落を恐れて、多くの不動産が金融機関のバランスシートに載ったままである。

 アメリカ全体では、不動産価格の上昇・下落はそれほど大きくないが、都市別に見ると、明らかに違いがある。たとえば、ロサンゼルスやサンディエゴでは、アイルランドとスペインの中間ぐらいの大きさの不動産価格の上昇と下落が起きている。その一方で、フィラデルフィアなどの東海岸の都市では、不動産価格の大きな上昇・下落は起きていない。

米国と欧州諸国の名目住宅価格▲ 図表1.米国と欧州諸国の名目住宅価格

 難しいのは、不動産価格のバブルを、リアルタイムで認識することである。アメリカ国内で都市別にみると大きな違いがあるように、欧州内でも、国別にみると大きな違いがある。UKでは、スペインと同じ程度不動産価格が上昇し同じ程度下落したが、スペインは価格が下落したままであるのに対して、UKの不動産価格は下落から回復しており、バブルかどうかを断じにくい。

 また、ドイツでは不動産価格の上昇が起きていない。不動産価格の上昇が起きているフランスの隣の国なのだが、不動産価格の変動は全く違うのである。多くの国では、不動産価格の上昇が続いている。これには、金利が大きな役割を果たしている。低金利は、長い目では、不動産価格に問題を起こすのではないかと思う。

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金融市場の成長と、経済の成長に乖離が生じている

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