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「3つの社会変化」を自社組織の機会にする

第3回

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人口構造の変化:“予測精度”が高い未来

 社会変化を把握するうえで最も手頃なものが「人口構造」だ。日本における特徴は「少子高齢化」になる。しばしば制度の不備を指摘される公的年金制度をみてみよう。比喩を使えば、1970年は1日24時間のうち、8人1チームで1人の高齢者を支えていた。1人3時間ずつ1人の高齢者に時間を割けばよかった。しかし、少子高齢化となった今、3人1チームで1人の高齢者を支えなければならない。1人8時間だ。2060年になれば、ほぼ1人の労働者が1人の高齢者を支えなければならない。24時間働き続ける?…もちろんそれは不可能だ。

日本における人口構造の変化 日本における人口構造の変化                 
(国立社会保障・人口問題研究所資料より)
こうなった理由は、「人口は増加し続ける」という前提に立った制度設計にある。人口減少により、この前提は変わった。少しでも早く、変化を踏まえた新しいシステムを構築しなければならない。
 人口構造の活用が有益な点は、“予測精度”の高さにある。総務省の統計資料から計算すると、現在の10歳の人口は約112万人。では、10年後の20歳の人口はいくらになるだろう?112万人だ。戦争や新種の疫病でも発生しない限り、大幅な変化はない。

 ここで簡単に市場規模の予測をしてみよう。10年後の20歳の人口は112万人。現在20歳の人口は約121万人だ。もし、成人式に関わる製品やサービスを自社が提供しているのであれば、10年後の顧客候補は今より9万人少ない計算になる。割合で言えば7~8%の減少。事業の中身を変えない限り、10年後の売上や利益は確実に減ることとなる。

 少子高齢化という点から考えれば、小さな子どもを対象とした育児に関わる市場規模は縮小し、高齢者を対象とした健康に関わる市場規模は拡大すると考えられる。

 人口構造の変化を観察することで、未来の状況を大まかに予測できるようになる。

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働き方の変化:「個の力」と「コラボレーション」の重要性

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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