高島市長が語るスタートアップ都市福岡の戦略

福岡市長 高島宗一郎 氏インタビュー

 国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されている福岡市。都市としてのポテンシャル、環境を生かした福岡市のここ数年のスタートアップ支援は確実に成果を生んでいる。強力なリーダーシップで福岡市のスタートアップを牽引する高島市長に、そのビジョンを語ってもらった。

[公開日]

[取材・構成] BizZine編集部

[タグ] スタートアップ ベンチャー 社会・公共

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政令市の首長こそが、リーダーシップを発揮できる

高島宗一郎 福岡市長 高島宗一郎
1974年11月1日生。1997年KBC九州朝日放送に入社。福岡の朝の顔としてワイドショーや環境番組のキャスターを務める。2010年11月に史上最年少の36歳で初当選し、昨年11月、史上最多得票で再選。国内外で積極的な発信を続け、世界の市長から最も優れた市長を選出するWorld Mayor 2014にノミネートされた実績を持つ。クールジャパン戦略推進会議有識者メンバーや、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問、スタートアップ都市推進協議会会長など、日本全体をけん引する重要な役職も任されている。

 政治家を志すきっかけとなったのが、中東の国々での体験でした。高校時代から中東問題に興味があり、学生時代は実際に中東を訪問したのですが、現地の方々は皆さん温かく親切でしたし、親日家も多くて、日本人であるというだけで守られ、尊敬されているということを強く実感しました。特にパレスチナで国籍を持たない人たちと接する中で、自分の置かれている環境のありがたさを実感するとともに、国家というものを非常に意識するようになりました。祖父が市長をしていたので小さい頃から政治が身近だったこともあり、いつか生まれ育った日本という国、故郷を守りたい。そのために将来は自分も政治家になるんだと、大学生の時に決心しました。政治家の中でもなぜ、市長を目指したのかというと、日本の行政システムにおいては、「政令指定都市の首長」こそが、一番リーダーシップを発揮できると考えたからです。

 政令指定都市は、市といういわゆる基礎自治体としての“現場”と、広域自治体としての都道府県に相当する権限の両方を持っています。しかもその予算権、人事権を持つ首長が直接選挙で選ばれる。いってみれば、大統領制と似ているのです。いろんなことにスピード感をもってチャレンジしていくためには、政令指定都市の首長を目指すべきだと考え、福岡市長選挙に出馬し、当選を果たすことができました。

アナウンサーとして身につけた「伝える力」

 当初アナウンサーとしてTV局に就職したのは、メディアを通して、様々な問題提起をしたり、地域にある良いものをどんどん発信していきたいという思いがあったからです。もう一つは、将来、政治家を目指すためにも、知名度も上げておかないといけないという思いもありました。選挙に弱ければ政治家になった後に政策よりも選挙のための活動に時間が取られてしまうと聞いていたからです。朝の情報番組のキャスターを務めていたおかげで、いろんなかたちで地域のニュースを取り上げることが出来ました。スポーツや芸能といった話題から報道まで幅広い情報を、いかに分かりやすく多くの視聴者にお伝えすることができるか。常にそれを考えて発信をしていました。不特定多数の市民にわかりやすく伝えるためには、プロとしてのノウハウが必要です。共通理解の深い組織内部に対して伝えることとは全く別なんです。そういう意味でキャスターとしての経験は極めて大きかったですね。市長として、福岡市が目指す方向性や具体的な施策について対外的に発信するときに、非常に役立っていると思います。

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