経営危機をビジネス転換の「成長機会」へと変革する組織力
佐藤:ここからは、経営危機をどのように乗り越えてきたのかについて伺います。100年以上続く中で、戦争や金融危機などありとあらゆる危機があったと思います。最も記憶に残る危機と、その乗り越え方を教えてください。
島地(東レ):私の中で強く残っているのは、2000年代のITバブル崩壊です。全社的に情報通信機材に力を入れていた時期で、業績が急激に悪化し非常に苦しい状況でした。その際、コスト削減や事業構造改革といった守りの基本動作を徹底しつつ、営業現場では「取引ではなく取り組みをしよう」という合言葉を掲げました。1回ごとのトランザクションではなく、お客様といかに深く幅広くお付き合いができるかという顧客価値重視型への転換です。振り返ると、ユニクロ様やボーイング様との関係が深まったのもその頃でした。



