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不確実な未来の「偶発性」を“Rock”する

「新規事業バブル」と「オープンイノベーションごっこ」――実際にやってみて気づいたこと

第1回

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「新規事業バブル」と「オープンイノベーションごっこ」

 社内で新規事業を進める場合、各社で度合いは違えども、既存事業サイドとの軋轢や、リスク危惧に対する社内説得への疲弊などに晒されることが多い。しかし、この戦いは決して正義と悪者の対立図式ではなく、正義と正義のぶつかり合いであり、お互いが逆の立場になれば相手と同じことを言うはずのもの。ただ、新規事業サイドは既存事業サイドの常識をUnlearn(学びほぐし)することで生まれた存在でもあるがゆえ、既存事業サイドに新規事業サイドの想いが伝わらない一方通行の図式が生まれがちとなる。また既存サイドの論理的な説明に対してこちらは感覚的、さらには多勢に対して無勢なので、普通に議論すると負けてしまい、組織の端っこで勝手に孤独を感じつつ「いつか見てろよ、絶対成功させてやるぅ」と生きていくパターンが多いのではないだろうか。理解されづらい存在が、現在の常識と戦い、新しいカルチャーを創出しようという気持ち、これってまさにRockなのだと思う。「そうかこれがRockか!そうだよ、これがRockだよな!!」とやたら腑に落ちたことを覚えている。

 世は新規事業バブルとも言えるほど、新規事業関連のキーワードが日常生活を飛び交っている。ここ数年お会いする他社の新規事業担当者からも「上層部からオープンイノベーションを推進しろと言われ途方に暮れている」「社内でアイディア募集の仕組みを作れと言われ思い悩んでいる」などの声を聞くことが多くなった。

 企業のメイン事業で活躍されていた方が、考え方の大きく異なる新規事業の世界に一晩で移されるのだから、たまったもんじゃないだろう。そんな新規事業難民が増えていると感じていたところに、最近「大企業はオープンイノベーションごっこから脱出せよ」という記事が話題になっていることを知り、妙に納得してしまった。この記事には新規事業担当者にとって耳の痛いことが書いてあるが、大筋では賛同できる内容も多い(※)。

 個人的には「ごっこ」にならないためには、以下が必要だと思っている。

  • 会社がコミットしている
  • 強い想いを持った主体者が存在している
  • 狙いや作戦をしっかり持っている

 明確に実現したい世界があり、そこに想いや狙いを持った状態でないと、オープンイノベーションという「手段」が「目的」化してしまうことも多いように感じている。ただ、最初からそう思えたわけではない。そう思えるようになるまでの流れをこの先に記していきたい。

(※)編集部注:Biz/Zineでは『「オープンイノベーションごっこ」の功罪、「リニア思考」を脱却できない人の“ジレンマ”』という記事にて、別の角度から「オープンイノベーションごっこ」と「リニア思考」を論じている。

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この記事の著者

畑 紀行(ハタ トシユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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