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デイビッド・アーカー氏が語る、ブランドの存在意義が重要な時代の“心が動く”ストーリーの作り方とは?

『Creating Signature Stories: Strategic Messaging that Energizes, Persuades and Inspires』(David Aaker)

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アーカー氏が最新刊で語った、マーケティングコミュニケーションにおけるストーリーの力とは?

 ブランド・アイデンティティの提唱者であり、カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネス・スクールのデイビッド・アーカー氏は、最新刊『Creating Signature Stories: Strategic Messaging that Energizes, Persuades and Inspires』においてストーリーを再定義し、企業やブランドがメッセージを伝える際にストーリーを用いることの有効性を説いている。

 本書では、従来「ストーリー」という言葉から想起されるブランドの歴史や背景を一方的にユーザーに伝えるブランドコミュニケーションだけでなく、戦略的メッセージを物語によって伝えることすべてが、「シグネチャーストーリー」(心を動かすストーリー)だと定義している。

 現代のマーケティングコミュニケーションにおいては、ブランドが主人公の物語を伝える「ストーリー」の時代は終わり、ユーザーを主人公として物語を体験させる「ナラティブ」に取って代わられると主張する人々もいる。例えば、Forbesの記事「2017年は「ストーリー」型マーケティング終焉の年に」において筆者のジョン・ウィンザー氏は、「ナラティブ」型マーケティングが「ストーリー」型マーケティングに取って代わると主張している。

 ブランドの価値観を行動で表すことによりユーザーの共感を生み、ユーザーが主人公として参加しアクションを起こせるようなナラティブ(=物語)を提供するのが、「ナラティブ」型マーケティングである。上記の記事では、米アウトドア用品大手パタゴニアが行った、国定記念物(ナショナル・モニュメント)指定保護地域の政策変更への反対声明などが例として挙げられている。

 物語としてブランドが伝えたいことを語る手法は、ただ事実を伝える手法よりも有効であることは間違いない。ユーザーの関心を捉え、ブランドにエネルギーをもたらし、ユーザーを巻き込み、感情を揺さぶり、説得し、インスパイアするなど、ストーリーを用いることのベネフィットは幅広い。

 アーカー氏は、シグネチャーストーリーを従来のブランド主体のストーリーに加えて、ユーザー主体のナラティブも含めたものとして定義し、そのベネフィット、活用方法、注意点を語っている。

 では、「シグネチャーストーリー」とは、具体的にはどのようなものなのだろうか?

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土師 萌(ハゼ モエ)

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