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DXを実現させるデジタルアダプション

過去20年のデジタルと人間の関係から考える、デジタルアダプションの果たす役割

第4回

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過去20年のデジタルと人間の関係を表した2つの言葉

 いまから約20年前の2000年前後は、インターネットの利用がビジネスや生活のシーンで一般化してきた時期です。この時期にデジタルと利用者である人間との関係性を問題提起した、「デジタルデバイド」という言葉を記憶されている方も多いかと思います。

 デジタルデバイドは、デジタルやテクノロジーを利用できる人とそうではない人の格差を示す言葉です。具体的には、国家間でのデバイドや、国内でも企業間のデバイド、居住地や世代・所得・教育などを背景とした個人間のデバイドなどが議論されました。デジタルと人間の関係を“利用”という観点から捉えた最初の言葉です。デジタルデバイドは、デジタルと人間の関係性よりも、デジタルを利用できる人とそうではない人との関係性、つまり“格差”としても注目されるようになります。格差をいかに解消するかという政策論として、省庁を中心に語られる言葉となっていったのです。その結果、ユニバーサルサービスに代表されるネットワークの整備や端末の普及など政策課題が達成されると、デジタルデバイドはほとんど使われなくなります。

 その後、デジタル利用のためのハードの整備を受けて語られるようになった言葉が、「ITリテラシー」です。リテラシーとは「読み書きの能力」を示す言葉です。日本語という言語を自由自在に読み書きして使いこなせるのと同じように、ITを自由自在に使いこなすための能力が、ITリテラシーです。

 デジタルと人間の関係は、ITリテラシーという言葉の登場によって、「開発されるべき能力」として捉えられ、教育やトレーニングの対象となります。教育やトレーニングの対象となったことで、利用者である人間の側に習熟の努力が求められるものとなりました。

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この記事の著者

道下 和良(ミチシタ カズヨシ)

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