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新たな概念「ゼブラ企業」

陶山祐司氏が紐解く、世界で広がる「ゼブラ企業」への期待──社会性と経済性を両立する企業の在り方とは?

第1回

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 みなさんは、「ゼブラ企業」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。2016年にアメリカの西海岸から始まったこの潮流は瞬く間にグローバルに広がり、提唱者が設立したZebras Uniteは、これまでに全世界で2万人のコミュニティとなっています。そして今では、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などとも連携して、新しい社会のあり方を構築する活動を続けているところです。  本稿では、これからの時代を読み解く上で欠かせない「ゼブラ企業」について、どのような企業なのか、なぜ今注目されているのかといった点について、Tokyo Zebras Uniteの共同創設者であり、ゼブラ企業への投資・経営支援を行う株式会社Zebras and Companyの共同創業者でもある陶山祐司(著者)が解説します。

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既存スタートアップの在り方への問題提起から始まった「ゼブラ・ムーブメント」

 ゼブラ企業のムーブメントは2016年2月17日、“Sex & Startups”という一つのブログから始まりました。

 米国西海岸、ポートランドで起業していたジェニファーとマラは、現在のベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップを取り巻く環境がユニコーン企業ばかりを称揚し、市場の独占、短期的な利益、株主価値の最大化を過度に重視していると批判。事業に伴う社会的な影響や従業員・地域コミュニティなどへの貢献などが軽視されており、定量化しやすい要素ばかりを見ているという問題提起を行なったのです。

 このブログは世界中で拡散され、同様の問題意識を持つ何百人もの起業家、投資家、支援者から賛同の声が寄せられました。そして、それらの人々との対話を通して「ゼブラ企業」という概念が提唱され、ゼブラ企業やその支援者をコミュニティ化していく組織「Zebras Unite」が創設されたのです。

Zebras Uniteの4人の創設者たち
Zebras Uniteの4人の創設者たち

 ユニコーンとは元々、幻想上の動物です。「実在しない」「なかなか発見できない」という含意を込めて、2013年にシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが「時価総額1,000億円以上、創業10年以内の未上場企業」をユニコーン企業と呼び始めたといわれています。

 一方、ゼブラ(シマウマ)は実在・リアルな存在であり、白と黒、すなわち「社会性」と「経済性」の要素をどちらも兼ね備えています。また、ゼブラは一匹で生息するのではなく群れで活動し、相利共生、つまり他者とのコラボレーションを重視しています。

 これからの時代、より良い持続的な社会をつくっていくためには、こうしたゼブラ企業が必要だという問題提起に呼応する形で、ゼブラ・ムーブメントは草の根から世界に広がっていったのです。

 ではいったいどのような企業を「ゼブラ企業」と呼ぶのでしょうか。特徴や具体的な事例を解説していきます。

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この記事の著者

陶山 祐司(スヤマ ユウジ)

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