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事業開発者が目指すべき「温度ある経済の環」

「テクノロジーで人を幸せにする」富士通新田氏が語る、5G技術の世界展開という“挑戦”

第3回

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 全世界で約13万人のスタッフを抱え、日本国内全国主要都市はもちろん、アジア、オセアニア、北米、EMEAエリアなど、広く海外にも拠点を持つ、富士通株式会社。日本の代表的なグローバル企業の一つでもある同社の創業の成り立ちは「黒電話」。そこから日本初の国産コンピューターの開発・製造から発展し、世界へと進出。そして現在は、デジタルを活用し生活を構築する様々なサービス実現のための基盤を送り出すSI事業者でもあります。  富士通がこれから、どのような会社になっていくのか。その向かう先はどこにあるのか。同社が挑む次の時代へ向けた挑戦からは、日本企業が改めて世界に羽ばたくための手がかりが見られます。本連載のテーマである「温度ある経済の環」という考え方のもと、同社の世界への挑戦を見つめなおしていきたいと思います。 

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人を幸せにするためのテクノロジーカンパニー

 富士通は今、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパスとして掲げ、「テクノロジーで人を幸せにすること」を目指しています。多様な価値を信頼でつなぎ、変化に適応するしなやかさをもたらすことで、誰もが夢に向かって前進できるサステナブルな世界を作ろうとしているのです。

 2022年3月某日、私は久しぶりのオフラインミーティングの機会を頂き、富士通株式会社 モバイルシステム事業本部 グローバルビジネス統括部 事業戦略室長(取材当時)の新田大介氏にお話を伺いました。

新田大介氏
新田大介氏

 新田氏は、大学時代から携帯電話が大好きで、とにかく携帯に関わる仕事がしたいと2004年に富士通に入社。新田氏個人が現在設定する自らのパーパスは、「つながるコトで、世界をより豊かにする(To make our world a better place for everyone with connected experience)」です。入社以来、長くモバイルソリューションなどに関わってきましたが、その間に5年間の米国支社駐在などを経験し、現在は、世界を一つの市場とみなした視点で事業開発に携わっています。

 一貫して、携帯電話や、モバイル通信に関わる仕事などを担務し、NTTグループをはじめとする内外のキャリアの仕事に関わってきた新田氏。彼がマネジメント層へと進んでいく中でひとつ上の視座を持つ大きな機会となったのが、米国での駐在経験だったといいます。その経験を通じ、「富士通はまだまだグローバルとはいえない」と痛感したというのです。

 日本では誰もが知っている「富士通」という社名を冠しながらも、北米の消費者からは「エアコンの会社」「レジ(POS)で見かける会社」という認識しか持たれておらず、通信技術に長けているという認識はほとんど誰も持っていなかったといいます。そのような中で新田氏は、「日本の大手通信事業者へ“基地局”という商品を納めている技術カンパニー」として、米国の通信キャリアにアプローチしていきました。現地の企業から「なにもわかっていない」と一蹴されつつも何度も足を運び、地理、法制度、技術方式など、その土地で要求されている利用条件を一つひとつ教えてもらいつつ提案を進めました。しかし、現地の顧客から教わったことを日本の技術者に伝えようとしても、「一番いいと信じて作っているのになんでそんなことをいうんだ」「日本国内ではこれで通用している。これで使ってもらえ」と理解してもらえません。新田氏は、日本側の技術者と米国側の顧客との間で粘り強くやりとりを続け、市場を切り拓いていきました。

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この記事の著者

三木 言葉(ミキ コトバ)

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