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スティーブ・ブランク氏が語る、顧客開発モデル

来日講演レポート・前編「事業創造3つのポイント」

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スケーラブルなビジネスモデルを探索する組織

 ブランク氏は、基本となる考え方について念を押す。「スタートアップや新事業は既存事業や大企業の小型版じゃない。従来の見方を超えて新たな捉え方をするべし」と説く。既存事業は、既に分かっていることを実行する。一方、新事業は、まだ分からないビジネスモデルを探索する。だから、実行と探索を取り違えると、新事業は失敗する。

 「新事業とは何か。それは、再現できるスケーラブルなビジネスモデルを探索するよう設計された、一時的な組織であると言える。往々にして大企業の新事業は、新しいプロダクトを開発するこじんまりしたチームと思われてきたが、そうではない」とブランク氏は言う。

 “再現できる”というのは、今日出来たら明日も明後日も繰り返せるものである必要があるということであり、たまたま一度出来ただけでは価値がない。“スケーラブル”というのは、大きな事業へと十分成長できるものという意味だ。大企業の新事業では、しばしばこじんまりした新事業を見受けるが、それでは将来の柱となるイノベーションとは呼べず、大企業として取り組む意味が薄い。

 一時的な組織と言う意味についてブランク氏は、「“12年目のスタートアップ”はいない。初め2年はスタートアップだったかもしれないが、あと10年は失敗の繰り返しに過ぎない」と言う。シリコンバレーでは“Fail fast(早期に失敗をしておく)”とよく言うが、スタートアップが初期のアイデアで事業創造をトライしてもなかなかうまくいかず、アイデアが間違っていると分かれば、しがみつかずにストップすることがよしとされる。よく日本では何年もやり続けて“ゾンビ化している新事業”があるが、それは避けよというメッセージだ。

 また、「プロダクトでがなく、“ビジネスモデル”が失敗の原因になる。スタートアップとは、プロダクト開発でなく、ビジネスモデルを探索するための組織である」とブランク氏は言う。新事業の組織がプロダクトの開発に終始することがしばしばみられるが、そうではなく事業全体、つまり再現性のあり既存事業を凌駕するような可能性のあるビジネスモデルを創造することが求められる。初めての顧客との接触で生き残るビジネスプランはないという指摘で分かるように、仮説を検証し新たなビジネスのあり方を模索することが、新事業のミッションなのである。

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この記事の著者

本荘 修二(ホンジョウ シュウジ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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