イノベーターの要件-既存事業とは異なる必要な特性
仕事が“デキる”人になるためには、入念に調査し、計画と段取りを完璧にして、ミスなく実行する。確かにそうかもしれないけど、何かが足りないような気がしませんか?
「良いものを作れば売れる時代」が終わったのにともなって、仕事の仕方もクリエイティブに変えていきたいところです。ユニークなアイデアを次々と世の中に出していくには、どのような力を身につける必要があるのでしょうか。
500名を超えるイノベーターと5000人以上の企業幹部を比較した研究の結果、非常に興味深いことがわかりました。一般的に“デキる”ために必要だと思われていたものとは異なる要件を、イノベーターたちが持っていることがわかりました。
質問力、観察力、実験力、ネットワーク力、関連づける力からなる「5つの発見力」がイノベーターでは高く、同時に大企業の幹部になるにつれ高まることが分かりました。分析力、計画力、詳細運営力、自律といった「4つの実行力」ではイノベーターでは必ずしも優れているわけではなく、既存企業の幹部は「実行力」は高い数値を示しました。オンラインで66問の質問に答えることで、ブラックベリーやイーベイを創業者とInnovator’s DNAのベンチマークをすることができます。
このように「発見力」と「実行力」の二つの軸で能力を計ることで、より的確に人材要件を把握することができます。
「実行力」はいわば、業務遂行能力です。現在の業務を早く、正確に、安定して実行することができるかどうか。ある程度ビジネスモデルが固まった環境で、威力を発揮するような能力です。
一方で、「発見力」は既存のビジネスモデルからは離れたところに機会を見つけ、仲間を頼り、とりあえずやってみる力です。何となく「規格外な人」や「奇抜なアイデアを出す人」というのは感じられることがあったとしても、客観的に「発見力」を計ったことはないのではないでしょうか。