投資教育のターゲットはベビーブーム世代。カブドットコム齋藤社長。

ベネッセと組んで、インターネットでの株式投資教育を開始したカブドットコム。齋藤社長は、フィンテックの波が来ている今こそ、日本の証券会社が異業種と組んで市場を拡大するチャンスだと語る。

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[取材・構成] 京部康男 (Biz/Zine編集部)

[タグ] 金融 FinTech

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証券会社はまだまだニッチ、異業種連携が活路

──株式投資への関心も高まり、証券業界も気運が高まっているのではないのでしょうか?

齋藤:いやいや、株をやっている人ってまだまだ少ないでしょう。「銀行口座を持っていますか?」と聞くと、ほぼ全員が手をあげます。クレジットカードもほとんどみんなで、保険も半分以上が手をあげるでしょう。ところが株式とかFXというと、ほんの数名ではないでしょうか?

日本では株式投資って、まだまだ「お金持ちのたしなみ」なんです。大半の人にとっては、株は怖いものというイメージがある。証券会社と言えば、「株屋」というバブルな頃の大手証券会社の訪問販売のイメージで語られる。株をやる人の人口なんて、大手証券会社は口座数は数千万あるといいますが、実際は数百万人。この状況を変えたいという思いがあります。

──アベノミクス以降、株をやる人は増えたように思いますが。

齋藤:政府もNISAなどで煽って「貯蓄から投資へ」という気運を作ろうとしましたが、データを見るとあまり増えていないんですよ。それで、最近は「貯蓄から資産形成へ」という言い方に変えましたよね。

だから、証券会社はまだまだニッチです。ニッチな立場がフロントに出るのは無理。多くの金融系の企業が「プラットフォーマーを目指す」などと言います。しかし、我々のような証券会社はプラットフォーマーにはなれない。証券会社であれ、保険会社であれ、消費者金融であれ、お金の出し入れには銀行口座が必要です。コンピューターで言うならOSはあくまで銀行です。しかし銀行ですら、もほや単体でプラットフォームにはなりえないと思うのです。

だからこそ、APIを公開して金融機関の機能を異業種の方に提供していった方が良い。コンビニ、携帯通信、スマホのSNS、家庭用のソフトなどのメジャーなビジネスとAPIでつないで、マスにリーチしましょうと言い続けてきました。

アメリカのクリアリングファーム(証券関連の精算業務のアウトソーシング化)やIFA(金融仲介業)のようなサービスを、APIによって法人に提供することが可能になる。そう考えて「kabu.com API」の提供をはじめたのが2012年でした。当初はなかなかわかってもらえなかったのですが、ここへ来てフィンテックブームで、MUFG(三菱UFJファイナンシャルグループ)の会合などでも「APIエコノミー」という言葉も語られ、理解が得られるようになりました。

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