人間というものの難しさや不完全さに正直に向き合う~働き方改革の“風向き”①
株式会社パプアニューギニア海産:「小さなエビ工場の人を縛らない働き方」
好きな日・時間に出勤でき、欠勤も自由。会社への事前の連絡は必要ない。また「嫌いな作業をやってはいけない」というルールを設け、2カ月に一度「作業についての好き嫌いアンケート」を実施している。
以前は、会社がきっちりとスタッフを管理していたが、人は定着せず、些細なことで争いが起こる状況だったが、この取り組みを始めてから、各々が生活を中心に自分で選択し、自由に働けるため、周りの人を気にする煩わしさから解放され、負の感情が起きにくくなったという。
結果、スタッフ同士が自然と協力し合うようになり、生産性が向上。退職者が減り、年間の人件費は3割減少。自社サイトに求人を掲載するだけで応募が殺到する状況だ。
なお、工場長の武藤北斗さんは『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』(イースト・プレス)という本に思いを詳しく綴っている。
株式会社ヌーラボ:「グローバルで全社員が仕事をしない日!?世界中から“ヌーラバー”が集まるイベント「General Meeting」
ヌーラバーとはヌーラボの社員のこと。東京、京都、シンガポール、ニューヨーク、アムステルダムと分散して働く多国籍なメンバーとその家族など総勢200名が年に一度、本社所在地の福岡に集まるイベントを開催している。
経営戦略共有などの会議以外に、バーベキューやバンド演奏などを楽しむ。メンバーが多国籍化しているヌーラボでは、カルチャーやマインドの違いを理解し合う必要があった。そこで「インパクトのある超ポジティブな思い出」を共有し、コミュニケーションのきっかけを作りたいと始めた。
準備を含めて1週間、顧客対応以外の業務をストップする日も1日設定し、総予算は約700万円。ルールは「集合時間と場所を守ること」のみで、過ごし方は人それぞれと、とことん多様性を許容している。
「まだやり方に正解を見出してはいない」と橋本正徳・代表取締役は話すが、全メンバーを世界中から集める思い切りの良さや、代表だけでなく社員も「続けたい」という思いを共有していることなどが受賞のポイントになったようだ。