「組織の成長」と「自身の立ち位置」とのバランスに悩んだ「痛みを伴う転換点」は、意外な展開へ
仲山進也氏(以下、敬称略):先ほど、組織の成長と自身の立ち位置とのバランスに悩んだという話がありましたが、それはもう吹っ切れたんですか?
我堂佳世氏(以下、敬称略):去年の8月、卵巣に腫瘍が見つかって手術で入院したんですね。経営管理部長って、会社の夢の部分だけではなくてむしろ汚い所も全部見る仕事じゃないですか。会社の現状と目指す方向性との間に不具合も出ているんじゃないかなと感じる部分もあって、自分なりにさばいてきていたんですけど、その入院を機に「よし、この間に社長に全部見せて、現場に対してどう伝えるかは判断してもらおう」と決めて、業務を社長に渡して入院したんです。
そしたら、私が休んでいる間に社長がガンガン指揮をとって改革していたみたいで、退院して戻ったら会社の空気が「どベンチャー」に一変というか、戻っていたんです。「まじか」と思って。「それで行くんだったら、私残りますわ。それならやっていける自信あります」って。
仲山:すっかり社長が「大企業」にシフトさせて悩んだという話なのかと予想しながら聞いてましたが、真逆でした。
我堂:はい。それから1年足らずで部署を作ってもらえるくらい、“なんでも屋”が認められたのは嬉しかったです。他社でもなかなかいないじゃないですか。自由気ままに新しいことやりながら、経営のストライクゾーンに入っている人って。
でも、今回はさすがに経営管理部長を外れると思っていたんですけどね。「外さないよ」と言われて、「えー、攻めと守りと兼務してガバナンス的に大丈夫ですか」って思ったんですけど(笑)。
仲山:ヘタすると、ブレーキを踏みながらアクセル全開みたいなことになって、フラストレーションが溜まりそうですもんね。