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電通デジタル加形氏が語る、モノづくり企業の「イノベーションのジレンマ」──共食いを回避する3つの鍵

Biz/Zine Day 2018 Summer セミナーレポート Vol.2

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「新規事業PJ会議」のメンバーは各部門の“エース級”を最初に揃える

加形拓也加形 拓也氏(株式会社電通デジタル デジタルトランスフォーメーション部門 サービスマーケティング事業部 サービスデザイングループ マーケティングディレクター)
千葉県出身。東京大学経済学部卒。株式会社電通に入社後、人事局を経て、マーケティングセクションへ。
日本国内、海外問わず、事業・商品開発・マーケティングサポートプロジェクトを担当。
経験業界は酒類・飲料、不動産、化学メーカー、プロスポーツ団体、NPOなど幅広い。
電通デジタルへの参画後は、未来のまち・ライフスタイル・テクノロジー起点の立体的な事業・サービス開発を行うサービスデザインチームを率いる。
<著書・寄稿>日経BP社『テクノロジーロードマップ マーケティング・流通編』

 まず1つ目が「自社優良顧客変換ポイント―カスタマージャーニーのどこ?―」についてだ。顧客について知り、さらにカスタマージャーニーにおける課題を知ることで新しい事業やサービスのアイディアを抽出するというものだ。

 あるマンションデベロッパーでは、用地を取得し、マンションを建てる会社、モデルルームなどを拠点として販売する会社、そして売れた後に管理する会社と3つの会社に分かれている。掲げているブランドが同じなので、購入者は同じ会社が企画し、販売し、管理していると捉えているが、実際にはそれぞれ人材採用も給与も全く異なる別会社だ。3社合同で新しい価値を作らないといけないということまではわかっているものの、実際に連携していくことは難しく、合同でのワークショップを行なってはみたものの上手くいかず、担当者が1年くらい悩み続けているという状態だった。

 そこで加形氏が最も時間をかけて取り組んだのが、プロジェクトメンバーを集めるところだった。多くの場合、ワークショップをやるとなると、「アイディア豊富な若手に期待したい」ということで、社歴2,3年目の社員が集められることが多い。

 しかし、たしかに斬新なアイディアは多数登場するものの、なかなか実践実行に移せないことが多い。そこで、むしろ頭が固くなっていようとも忙しくて時間がないとしても、多数の現場を踏み、権限もある酸いも甘いも噛み分けたベテランに参加してもらえるよう強く依頼をするのだという。

企画、販売、管理の各部門から、会社で最も忙しい人を集めていただくことになり、スタート前には凄まじいプレッシャーをかけられました(笑)。しかし、スタート時にいいメンバーを集められるかどうかが勝負の鍵を握ります。この時は半日×8回のワークショップを行い、最終的に誰がどのように担当し、実行するか、アクションプランまで行き着くことを目標としました。

 最初に行なったのは、お客様への詳細なインタビューだという。おそらくマーケティング部門の人にはなじみある施策であり、既に資料としても揃っているかもしれない。しかし、意外にそうした資料は他部門に共有されておらず、実際にお客様の声を聞いたことがあるという人が少ないことが多い。そこで、メンバーにはインタビューの現場へ足を運んでもらい、写真も含めたインタビューシートを100枚ほど作成した。

 そして、それらのインタビューで得られた生声をA2サイズで出力し壁一面に貼って、プロジェクト期間中、常にお客様の生の声に向き合える環境をつくった。

 そして、定性的なものだけでなく、既に社内にある定量的な調査データも活用しながら、お客様の具体像である「ペルソナ」を設定していった。その際、作成したペルソナと営業が実際に接する人にはギャップがあることも多く、それを共有することも重要な作業となる。

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カスタマージャーニーから新規事業の種を発見する方法

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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