アクセンチュアが描く2020年──新しい技術やビジネスモデルによって変化する産業
セッションは、アクセンチュアの予測する世界観の紹介から始まった。今からほんの1年半後の2020年、世界では本格的なデジタルワールドが開花すると言われている。具体的には、センサーが2120億台、500億台のデバイスが市場に出回り、42億人が4G—LTEのネットワークにアクセスしている。Fortune1000企業の80%が、請求やマッピング、ソーシャル検索等の公共APIを提供し、61億人がタッチ・インターフェースやジェスチャー・トラッキング、ARなどのアプリケーションを利用し、世界中で月次で取引されるデータ量は31EB(エクサバイト。1EBは1TBの100万倍)になるのだ。
また2020年には第5世代モバイル通信システム(5G)によって、生産設備など業務に関するあらゆるもののネットワークが一気に実用化するとアクセンチュアでは予測している。5Gはデータ容量が100倍、ピーク速度が10倍、持続可能機器数が100倍と言われ、これによってIoT化が加速し、AI、スマートマシンが成熟すると考えられるのだ。加えて2030年には処理能力がスーパーコンピューターの約1億倍といわれる量子コンピュータが成熟期を迎える予測だ。
こういった環境変化の結果、新しい技術やビジネスモデルが生まれ、市場は大きく変化する。たとえば自動車業界を例にあげよう。ドイツのOEM会社とアクセンチュアのヨーロッパオフィスが共同研究を行なって出した予測だが、自動車業界ではカーシェアリングと自動運転技術により、2040年には1台の車が今の7台分の仕事をするようになる。また2015年では自動車産業のグローバルの利益構成比はOEMとサプライヤー、情報サービスが4:3:3だったが、2030年にはOEMとサプライヤー、情報サービスが22%、14%、23%に減り、残りの40%をUber等のモビリティサービスが占めると予測している。
2007年の世界の携帯電話の利益シェアはノキア、サムスン電子、モトローラ、ソニー・エリクソン、LGエレクトロニクスの上位5社で約90%だった。ところが、わずか8年後の2015年にはアップルが約92%をしめるに至った。このように、新しいテクノロジーの普及によって既存のテクノロジーは急速に置き換わるのが常なのだ。