ヒエラルキー組織は「愛情と信頼」、ホラクラシー組織は「規律と秩序」がないと機能しない
──メンバーが自立して、みんなで動かしていく組織として「ティール組織」のようなものが注目されている一方で、「大企業では難しい」という意見もよく聞きます。おふたりはどう思いますか?
長尾:「できるできない」じゃなくて「やるかやらないか」だけだと思います。ヒエラルキー型の組織もティール型の組織も選べるわけだから、どちらかを選んで徹底的にやればいいんです。
──ヒエラルキー型組織が悪いわけではなく、ヒエラルキー型とティール型では機能するルールやシステムが違うということですね。
長尾:おっしゃるとおりです。ヒエラルキーにはヒエラルキーの良さがあります。そもそもヒエラルキーとは「階層」のこと。組織の中に階層があることを指しているに過ぎない。ただ、ヒエラルキー型が機能するには「愛情と信頼」が必要なんです。とても情緒的なキーワードで、意外に思われるかもしれませんが。逆にティールやホラクラシーと言われるような組織では、自立した人たちが自分たちで「規律と秩序」を生み出せる状態が必要です。言い換えると、前者は組織に、後者は個人にフォーカスが当たります。