天外伺朗さんの著書から“賢者を目指さなくてもいい”と学んだ
──この連載では「愚者風リーダーシップ」について深めていこうとしていますが、今後どんな方にお話を聞きたいですか?
長尾:天外伺朗(てんげ・しろう)さんですね。「愚者風リーダーシップ」というキーワードには、実は元ネタがあるんです。天外さんがネッツトヨタ南国を経営する横田英毅さんを取材して書いた『「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学』(講談社)という本に、「愚者の演出」という言葉が出てくるんですよ。
天外さんはその言葉を司馬遼太郎の『坂の上の雲』から借用したと書かれています。要は、西郷隆盛なんかがわざと完璧ではない愚者を装い、「人たらし」で部下たちを上手く動かすという、戦国時代から続くリーダーシップの方法のことです。