予防医学博士・石川善樹氏が語る、AIによる味の個別化プロジェクト「Personalization of taste」
はじめに登壇したのは、「会社や組織」の健康づくりを科学の視点から確立することを目指すCampus for Hの共同創業者、石川善樹氏。予防医学研究者でもある同氏は「人がよりよく生きるとは何か(Well-being)」をテーマに、健康にまつわる講演や執筆・研究を行っている。
石川氏は「ウェルビーイングを見据えた食の在り方」と題し、AIで味覚の個別化を実現する「Personalization of taste」プロジェクトの経過報告を行った。本プロジェクトには、IBMのシェフ・ワトソンを開発したラヴ・ヴァーシュニーら各分野の専門家が参画。さらに外国人最年少でフランス・ミシュランの星を獲得した料理人・松嶋啓介氏も関わる。
石川氏はまず、共同研究者であるヴァーシュニー氏がシェフ・ワトソンを発表したときのコメントを引用。
5年以内にコンピューターは、あなたが何を食べたいかについて、あなた以上に理解するでしょう。(Prof. Lav Varshney in 2012)
シェフ・ワトソンによるレシピは、あくまで一般的なもの。では、より個別化された味をAIが想像し、作り出すにはどのようなアプローチがあるのか。これを実現するためにスタートしたのが、Personalization of tasteプロジェクトなのだ。