「後継問題対策」としてのM&A──経営戦略として中小企業でM&Aが急速に増加した理由(1)
一昔前、日本では、M&Aというと「ハゲタカ」、「身売り」といったイメージが浸透していました。IT業界の新興企業が歴史のある会社を買収したり、外資系投資ファンドが日本の古き良き会社に圧力をかけるなど、敵対的なイメージが先行していました。そのような中で、ここ6年間で中小企業がM&Aを経営戦略の一つとして取り入れることが当たり前の時代になってきています。その理由として、私は日本の社会構造変化が背景にあると考えています。
現在日本は、世界でも類を見ない少子高齢社会に突入しています。少子高齢社会化によって、生産人口の減少やマーケット縮小等、国の存亡にも関わる深刻な問題が起ころうとしており、この課題への抜本的な課題解決策として、M&Aが有効な手段として正しい認知が浸透してきています。