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チームラボ ボーダレスに込めた想い──スマホで繋がれる時代に、その場その瞬間に身体で感じる意味

CX DIVE 2018 セミナーレポート Vol.2

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「身体性」を取り入れ、その“場”でしか得らえない顧客体験を提供する

 2018年6月にお台場にオープンし、話題となっている「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」通称、「チームラボ ボーダレス」。この施設は森ビルとチームラボの共同事業であり、杉山氏は森ビルの企画運営室長を務めている。

 チームラボ ボーダレスは、世界で類を見ない巨大なデジタルアートミュージアムで、10,000㎡のスペースにデジタルアートが展示されている。

 約60点の作品が展示されているが、館内が迷路のようになっており作品を発見していく必要があるという特徴がある。また、子供の教育的な要素や、身体を動かしてここでしか体験できない経験を提供しているのも特徴だ。

 では、チームラボ ボーダレスはどのような顧客体験を目指して作られた施設なのだろうか。

 杉山氏は「現在、目的地までの最短距離がWEB上で表示されたり、探している情報をすぐに見つけ出せる時代になっています。そこで、あえてこの施設では身体を使って得られる体験をお客様に提供しようと思って作っています」と語る。

 チームラボ ボーダレスの館内は、来場者にとって不便な構造になっている。館内は順路も地図もなく、全体像が見えないため、来場者はどこに向かっていいかも分からず迷って混乱してしまうのだ。それを来場者に伝えるため、エントランスに入ってすぐの壁に「Wander, Explore and Discover さまよい 探索し 発見する」と書かれている。

 杉山氏はこれを

あえてネガティブな物理的な空間を作り、「それさえも楽しんでください」と入場前にマインドセットしています。それが「『さまよい、探索し、お客様自身が作品を発見する』というプロセスを楽しんで下さい」という案内になっているのです。

と説明した。

 チームラボ ボーダレスは、不安や不便さをポジティブな要素に変換することで、来場者に「ここに来ることでしか経験できない感動体験」を提供しているのだ。

 作品の一例として、映像の中に囲まれ、不安定な床で空中に浮いている感覚になるもの、お茶の水面がスクリーンになっていて、作品そのものを飲むことができるもの、床がトランポリンになっているもの、バルーンの中に自分が入るもの、でこぼこした床に積み木を移動させながら空間をつくるもの、光の線の中に入っていくものが挙げられた。

その場所に来ないと経験できないような、自分が作品の一部になるような空間づくりを目指してチームラボ ボーダレスを作りました。

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