世代という時間軸で考える「懐かしい未来」と「未知化」とは
鈴木:例えば、ニュータウンも賞味期限が切れたと言われるかもしれないけど、そこには時間や歴史という価値があるので、何かそこに新しい住まい方が見出せないか、研究してみるべきだと思います。
栗岡:最近考えているのが、“懐かしい未来”というキーワードです。1990年代以降に生まれた「ジェネレーションZ」と呼ばれる若い世代がいますよね。彼らはデジタルネイティブだから、田舎の古民家ってむしろ新鮮で“未来的”に感じるようなんです。一方で、古民家が“懐かしい”と感じる年長世代がいる。その両者の思いを重ねると、“懐かしい未来”ということになる。世代を超えた交流を促すことは、経済性と社会性を兼ね備えた価値を生むためのポイントだという気がしているんです。 ニュータウンにも何か懐かしい未来の街の姿が描けるかもしれせんよね。そして、人口減少・高齢化などニュータウンの直面する課題こそ日本の資源になる可能性は大いにあると思います。