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店舗のメディア化やデータ活用、戦略的提携。小売業界にイノベーションを起こす薬王堂の取り組みとは?

Biz/Zine Day 2018 Autumn セミナーレポート Vol.2

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2020年2月までに「キャッシュレス50%」を目指す

 先日、薬王堂仙台泉館店で無人化レジの実証実験を2019年中に行うという発表があった。薬王堂に商品を卸している化粧品・日用品卸大手のPaltacと米スタンダード・コグニションが共同して行う実験の場として選ばれた形だ。多くの無人決済の取り組みは、小さな店舗で来店数の上限を決め、専用のカメラや照明を多数使って行う技術が多い。しかし、スタンダード・コグニションの技術を使えば薬王堂のような300坪程度の広い店舗でも無人決済システムが可能だという。

 薬王堂のIT化の取り組みはこれにとどまらない。1年半前にポイントカードを変更した際、自社のプリペイド式電子マネーを使えるようにした。その結果、1年半で売り上げの3割が電子マネーでの支払いになった。日本のキャッシュレス決済比率が2割だという現状を考えると、高い水準である。

 この背景には、様々な仕掛けがある。その一つが60歳以上の顧客が持つことができる「おでかけカード」というポイントカードである。薬王堂は、来店をきっかけに、少しでも歩いて健康になってもらえればという発想から、「おでかけカード」を持っている顧客は1日1回来店して買い物をすると3ptがもらえるようにしている。300ptは500円分の支払いに使える。それに加え、プリペイドカードにチャージをするとポイントがたまったり、プリペイドカードを使うとポイントがたまったりと、顧客が利便性を感じられるようにしているのだ。

 また薬王堂は現在、Origamiというスマホアプリを使った決済システムの導入も検討している。Origamiは会員登録料やカード手数料が一切かからず、無料で使えてスマホだけで決済が完了するので、顧客にとっても利便性が高い。

 キャッシュレスにこだわるのは、薬王堂の店舗の仕事の中で、レジ作業が大きな割合をしめているからだ。キャッシュレス化すればレジの仕事の負担が軽減する。また、顧客の利便性も上がる。西郷氏は、2020年2月までにキャッシュレス決済50%を目指していると語っている。

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