物事をシナリオで捉え、他媒体に変換する力
各務:「なぜ建築から広告の世界に行ったのか?」とよく聞かれるのですが、ひとつの理由は共通点が多いからです。「建築と映画の作り方は9割一緒」説というのがありまして、部屋のシークエンスから成り立つ建築と、シーンのシークエンスで成り立つ映画に共通しているのは「シナリオ」です。
「シナリオ」を空間に翻訳すれば建築で、映像に翻訳すれば映画で、音にすると音楽で、言葉で書くと小説になります。だから物事を抽象化していったんシナリオとして捉え、他の領域に戻す能力があると、すべてのことは変化可能になるわけです。