そもそも、「インサイドセールス」とは何か。テレアポとの違い、商談におけるKPIなど
ビズリーチ茂野明彦氏(以降、敬称・社名略):もう既に登壇者のみなさんは様々な場で講演などされていますし、来場の皆さんが聞きたいことに答えるのが一番なので、今日はノーアジェンダです。寄せてもらった質問にどんどん答えていただこうと思います。良い質問がきています。
テレアポとインサイドセールスの違いは何でしょうか。テレアポからインサイドセールスに変化していくために意識すべきことは何だと思いますか?
株式会社ユーザベース西川翔陽氏(以降、敬称・社名略):お客様の時間に対して、高い価値を提供しようとする意識の大小がいちばんの差ではないでしょうか。また、テレアポを極めていく人はテレアポのスペシャリストだと思います。でもインサイドセールスは電話営業に関してはゼネラリストです。
株式会社HDE水谷博明氏(以降、敬称・社名略):情報収集スピードと質に関して違いがあります。我々は情報を資産だと思っているので、インサイドセールスは単にアポとりをするだけではなく、KPIにもメールアドレスの取得数などを入れるほど情報収集を重視しています。収集した情報はマーケ施策にも使えるので、そこが違いですね。
株式会社セールスフォース・ドットコム鈴木淳一氏(以降、敬称・社名略):提供する価値の違いですね。弊社ではアポからの商談化率を個人ごとに確認していますが、80%に近い率を維持しています。つまり、外勤営業にとっては空振り訪問が少ないし、お客様にとっても価値のある時間になります。そこまで質を上げていく点が違いですね。
株式会社マルケト弘中丈巳氏(以降、敬称・社名略):意識する範囲が違うと思います。テレアポはインサイドセールスの仕事の一部であり、インサイドセールスはマーケティングとフィールドセールスの橋渡しをするような存在ですね。
茂野:インサイドセールスではどんどん情報収集が進んでいく。マーケやフィールドセールスと同じ指標をもったり、全体を俯瞰して行動するのがインサイドセールスということですね。では、次の質問です。
商談数以外に、KPIにはどんなものを設定していますか?
セールスフォースの鈴木さんは8年の経験がおありなので、KPIの指標が変わってきた歴史をご存知だと思うのですが。
鈴木:私が入社した8年前はアポ数だけがKPIでした。次にアポ数と契約金額。その後コール数、コネクト件数も加わりました。現在は、営業が訪問した後「有効と認めた商談数」と「新規獲得件数」という質のKPIにシフトしています。
茂野:きっとみなさん共通ですよね。最初はアポ数、それから商談化数、そして単なる商談だけではなく質にこだわっていき、最終的には売り上げだけを営業とともに追っていくわけですよね。では、マーケ施策へのフィードバックや商談化できなかったリード(見込み顧客)の分析は、どの部門がやっているのでしょうか。
弘中:定量的な情報や業界情報、重要因子の影響などの分析はマーケティング部門がやります。営業部門でやっているのは定性的なものです。まだ組織が小さいので、営業部門で商談化しなかった理由ややりとり内容を全部聞いて、2週間に1回マーケティングの責任者と擦り合わせています。