チームの情報処理能力を高める「Anews」が攻めのDX実現の第一歩となる
日本語はカタカナ、ひらがな、漢字、アルファベットを使う言語であり、主語の省略も多いため、解析が難しいと言われている。ストックマークは、その日本語の自然言語処理のリーディングカンパニーとして、自然言語処理AI技術を搭載することでニュースリサーチを効率化する「Anews」というプロダクトを企業向けに提供している。
Anewsは、AIが海外や日本のWebニュースや企業のプレスリリースなど、国内外30,000以上のメディア、1日30万記事のなかから、本当に知るべき情報をピックアップして届けてくれるプロダクトである。記事にマークをつけたり、企業内でシェアしあったり、記事にコメントをつけたりすることができる。記事の選定は、当初は設定したキーワードによるものだが、記事へのコメント、シェア、アクセスログをAIが学習し、優先度の高いニュースを選定したり、不要な記事のフィルタリングを行ったりするようになる。これを繰り返すにつれて、設定したキーワードは含まないが、企業に必要だと思われる情報、隣接領域の情報が届くようになる。
Anewsがもたらすのは、記事の提供だけではない。Anews内での記事のコメント、シェアの機能が、組織内の知識量、情報感度の引き上げに役立っている。個人で情報収集をしていると必要な情報が漏れてしまうことがあり、また人によって情報感度、観点の良さにはばらつきがある。しかし、情報を共有することで抜け漏れが減らせ、観点も研ぎ澄まされていく。また、組織内のコミュニケーション面にも有効だ。Anews導入企業に活用状況を聞くと、競合他社のアクションに対して経営層がコメントをし、それに対して社内が反応したり、経営層の質問に対して社内の該当部署が即座に返信したり、ある部署のコメントに対して別の、日頃あまり関わりのない部署が返信をしたりという交流があるという。
Anewsを導入し、既に成果をあげている企業は数多く存在する。世界トップクラスの電子部品メーカーの新規事業推進部門は、Anewsを「多くの新規事業アイデアが出るように盛り上げたい」という希望をもって導入した。その希望を受けてAnewsはPESTの情報、3Cの情報を網羅的に収集し、提供。その結果、市場ニーズを知ることができ、自社技術とつなぎ合わせたアイデアが生まれ、質の高い新規事業企画が多く集まるようになったという。
また、R&D部門への導入事例も増えている。ある大手情報関連機器メーカーの研究開発部門は、研究開発の早期収益化を実現したいが、縦割りの組織体制のために社内にあるノウハウや知見が発見できないことに課題を感じていた。そこでAnewsを導入したところ、Anews上での情報シェア、ニュースへのコメントを共有することによって、社内の知見者を発見したり、部門間で情報やナレッジがシェアされたりすることで、研究開発の効率化につながった。
他の例もある。海外事例を参考に製品企画をしたいが、新しい情報を取得・裏付けを確認するのに労力や時間がかかると悩んでいた建築材料・住宅設備機器業界大手メーカーの研究開発部門は、海外2万を含む3万メディアからの情報収集が可能なAnewsを導入。その結果、海外の先端技術・事例を網羅的に収集し、効果的に新製品の企画に組み込むことが可能になったという。
「企業で働く人は1週間に7時間ほど調べ物に費やすといいます。時間効率、人件費の観点からも、ここから着手して『攻めのDX』を行っていうことが望ましいのではないでしょうか」
林氏はそう語り、講演を締めくくった。