「モノ売り」から「コト売り」へ進化したブリヂストン
ブリヂストンは2015年頃から、「モノ売り」だけのビジネスモデルでは立ち行かなくなると危機感を抱き、「ソリューションプロバイダー」に転換する方針を打ち出した。そこで生まれた成功例が、取引先である鉱山会社でのカスタマーサクセスである。
ブリヂストンはそれまで、鉱山で鉱石を採掘するトラック向けにタイヤを供給してきた。「鉱山会社(顧客)はタイヤに何を求めているか」「鉱山会社の事業を成功させるために、タイヤ会社には何ができるか」といった問いを社内で繰り返してきた同社は、タイヤの製品データと、鉱山会社のタイヤの使用状況データを統合して分析することで、成功のきっかけを生み出した。鉱山会社の中でしか取得できないデータと自社のデータを統合・分析した結果、鉱物の種類によってタイヤに必要な特性やメンテナンスの方法が異なることが判明したのだ。