SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

デザイン・イネーブルメントによるDX推進

「デザイン・イネーブルメント」とは何か──完成形が存在しないデジタルプロダクトとデザインの新しい領域

第1回

  • Facebook
  • X
  • Pocket

完成形が存在しないデジタルネイティブなプロダクト

 DXの波が高まる中、企業や組織が提供するプロダクトは、より一層デジタルを前提とした体験を提供することになってきています。このようなプロダクトを本稿では、「デジタルネイティブなブロダクト」と呼びたいと思います。

 デジタルネイティブなプロダクトは、それを利用するユーザーに対して、デジタル技術を使いこなすためのリテラシーを要求します。同時に、そういったプロダクトを提供・運用している事業体の担当者やチーム自体のデジタルスキルを向上も不可欠になってきます。

 また、デジタルネイティブなプロダクトは、利用すればするほど、自分自身のニーズに合わせた情報を提供してくれるという特徴があります。不特定多数に向けたものではなく、個別に最適化されたコンテンツが提供されるのです。例えば動画ストリーミングサービスを提供しているNetflixのアプリの「ホーム」に表示されているコンテンツは、私自身の視聴履歴にしたがってパーソナライズ化されたものになっています。またこのアプリは、定期的なアップデートによって少しずつより良い体験を提供できる形へと変わっていくのです。

 なぜこのような変化が起こっているのでしょうか?

 それは、デジタルネイティブなプロダクトが、従来の物理的なプロダクトとは全く異なる特性を持っているからです。そのもっとも大きな特徴が、「完成形が存在しない」というものです。

完成形が存在しないデジタルプロダクト

 例を挙げて考えてみましょう。単純なコップや椅子を製作・販売している場合、一度型を作り、生産し、店舗で顧客が購入することでその商品の管理・運用は、基本的には購入した顧客自身にその責任が移行します。ところがデジタルネイティブなプロダクトの場合、モノとして顧客がそれを所有することは少なく、むしろ継続的な運用改善や拡張がなされるプロダクトが提供する機能や利益を、利用者が一時的に利用し対価を払うというSaaSのビジネスモデルになることが多くあります。

 「常に変化する」ということは、その変化を可能にする継続的な運用・改善を実行する事業者側の体制が欠かせません。その体制次第で、どれだけ市場やユーザーニーズの変化に機微に対応できるかどうかに大きく影響してくるのです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
「継続性がある」デジタルネイティブなデザイン

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
デザイン・イネーブルメントによるDX推進連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

本村 章(モトムラ アキラ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング