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デザイン・イネーブルメントによるDX推進

なぜ“デザイナー不在”であった地銀がデザインを活用できたのか──「デザインの具体化」という最初の一歩

第4回

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「デザイン・イネーブルメント」におけるデザインの具体化の重要性

 これまでに紹介したデザインの具体化は、デザイン・イネーブルメントにおけるデザイン活動の中の1つに過ぎませんが、関係者と対話し、正しいものを正しくつくるという他2つの活動を行うための土台となる活動となります。特に、具体化(可視化)を行い客観的なレビューをもらえるようになることで、プロダクトのクオリティ向上に繋がります。さらに、プロジェクトメンバーや上層部との認識を一致させることで、プロジェクトの推進がしやすくなり、結果的に「より好ましい状態」を実現するための大きな力となります。

 今回紹介した事例のように、はじめの取り組みの主体は個人もしくは少人数のチームのような小さな単位となるかもしれませんが、少しずつチームや組織にとってより好ましい状態を実現できれば、そこからデザインの活用・理解が一気に社内で広がるための小さな成功になるのです。決まった段階を決まった順序で登るのではなく、組織によって異なる「既存のデザインへの解釈の枠組み」と親和性の高い領域からアプローチすることで、デザイン・イネーブルメントを実現することができるでしょう。

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この記事の著者

村上 雄太郎(ムラカミ ユウタロウ)

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