仲間になってもらった起業家を本社の経営陣へ
──数多くの問題点が指摘されていますが、大企業はやはり海外企業に学ぶべきなのでしょうか。
増島:もちろん学ぶべきですが、これまで私たちが話してきたことは決して難しいことではないというのが重要なんです。シリコンバレーはいうまでもなく、韓国や中国や台湾の企業も実践できている。しかし、なぜか日本の伝統的な大企業はうまく実践できていない。ただ、それは逆にいえば、日本の企業にもできない理由はないということでもあります。例えば、日本企業のマークアップ率(付加利益率)は先進諸国に比べて低水準だとされていますが、日本は優れた知財制度を有していますし、環境面の整備は十分です。あとは、知財を戦略的に活用して、付加価値を高めていけばいいんです。