お互いがソースとして創作していることへの深い尊敬
この背景には、ピーターが大切にしている「ほかの人が創作をしていることやその創作物への深い尊敬(Deep respect for creative potential and what is created)」があります。
お互いがソースとして創作していることへの深い尊敬は、固定的な役職に基づく関係性ではなく、まさに瞬間瞬間を生きている私たち自身の「いのちの営み」の動的なプロセス(流れ)に、意識を向けていくことにつながっていきます。役職に基づく関係性では見えなくなっていく、誰もが瞬間瞬間で創作していること、創作できる存在であることへの尊敬を取り戻すことが重要です。
また、「誰もが創作している」ということへの敬意を仕事で感じることが難しい場合、私たちの日常生活に目を向けることも有益です。役職で人を判断しないソースプリンシプルのレンズによって、私たちがそもそも、「日々の暮らしでの料理や洋服選び、外食などのシンプルな創作活動を日々続けている存在(ソースになる)」であることが鮮明になります。
この認識を土台にすることで、より複雑な創作活動である「事業や会社の創業、仕事でのプロジェクトなど」を行う際にも、お互いがソースとして創作していることへの深い尊敬を感じやすくなっていきます。
役職者にパワーがある状態から、ソースをはじめとする全員がパワーを持つ状態へ
複雑な創作活動をソースプリンシプルのレンズを通して見てみると、どのような変化が起きるのでしょうか。ソース個人の愛してやまないことへのエネルギーを出発点として生まれた活動が、共鳴する仲間たちとの協働を通じて、具体的なビジョンへと花開き、変化し続ける姿が感じられるようになります。
そこでは、健全なトップダウンとボトムアップが共存している状態が生まれています。
ソースプリンシプルでは、複雑な創作活動においても、「役職者がパワーを有しているのではなく、ソースをはじめとする全員が物事を創作していくパワーがあり、愛してやまないことを創作できる素質がある」と見ています。これが「誰もが生まれながらに人生のソースである」という視点に基づく関係性です。
また、ソースプリンシプルでの「ソースの仕事」と従来の役職者との仕事は異なっています。「ソースの仕事」は、従来のような管理マネジメントではなく、創作活動が生まれている場自体の維持となります。この創作活動が生まれている場のことを「クリエイティブフィールド」と呼んでいます。「クリエイティブフィールド」にいる全員がパワーを発揮できていることを確実にすることがソースの仕事であり、それぞれの人が個々のビジョンを具現化している状態を実現していきます。
これは従来の役職者の仕事とは異なり、「お互いがソースとして創作していることへの深い尊敬」を持っておくことが必要です。言い換えるならば、「誰もが人生のソースであり、愛してやまないことを創作できる素質がある」という土台への深い理解がとても大切になってきます。